全世界の社員が生き生きと個性を発揮し活躍できる世界
"World of Opportunities" の実現を通じて、グループ企業価値の向上を目指します。
第一生命グループは、人々の人生に寄り添う「一生涯のパートナー」として、多様な幸せと未来への希望に満ちた世界を目指し、挑戦を続けています。これを支えているのは、私たちの強みである人財です。全世界の社員一人ひとりが、企業活動を通じて関わるあらゆるステークホルダーのことを誰よりも真剣に考え、自らも変革し続けながら「最良」を追求する。この弛まぬ努力によって、はじめて、私たちは当社の目指す世界に近づくことができると考えています。近年では、国内グループ各社に加え、海外グループ会社の仲間も共に私たちが前進する道を描く取組みを強化しています。グループ各社の独自性を理解し尊重すると同時に、ベスト・プラクティスや知見を互いに共有し、性別、年齢、経歴、国籍に関係なく、多様な人財が成長し、グループの価値創造に積極的に貢献できる環境づくりを進めています。2021年度には、全世界のグループ各社と議論を重ね、当社グループのEmployee Philosophy Statement「第一生命グループで働く人を考える」を策定しました。国や会社を超えて全世界の社員にチャンスやチャレンジの場を提供し、成長した社員がグループの価値を高める姿、会社と社員が共に成長し、高め合う関係を描いています。
事業環境が複雑に変化するなか、人財は経営戦略を実現する推進力です。当社グループの人財戦略は、成長(Grow)、共創(Belong)、幸せ(Be Well)、安心(Protect)の4つの柱で構成され、100年を超える歴史のなかで「一生涯のパートナー」として働く私たちが大切にしてきた想いを、Employee Philosophy Statement「第一生命グループで働く人を考える」を通じて日本を含む世界10ヵ国のグループ社員に共有しています。
"World of Opportunities"の実現、そして企業価値の更なる向上に向け、多様な人財の育成、戦略的な人財配置と人財が最大限に活躍できる組織風土の改革に取り組んでいます。
- ※1
DX人財を3つのレベル(①DX活用人財②DX中核人財③DXプロ人財)に分類し、組織を牽引し、変革を起こせるより高スキルの②と③を「DXコア人財」と定義
- ※2
当社および第一生命の合計
- ※3
当社および国内生保3社の管理職のなかでも組織の長であるライン部長、ラインマネジャー級の職位の合計
- ※4
2023年3月末時点における当社、国内生保3社、アイペットホールディングスの合計。改正「育児・介護休業法」(2023年4月施行)で公表が義務付けられる「育児休業等の取得割合」の算出基準に則して算出(結果が100%を超過する場合には、100%と表示)
- ※5
※2~4及びグローバルジョブポスティングポジション数以外は、当社、国内生保3社の合計
エンゲージメント向上に向けた取組み
エンゲージメントの位置付けと推移
社員が主体的に仕事をしている状態を人的資本活動の成果の一つと捉え、社員エンゲージメントを重要指標としています。生産性や企業業績への関係はもちろん、当社グループの中核戦略の一つであるCX向上へもつながることから、企業価値向上において重要な指標と考えています。
当社および国内生保3社では2021年からエンゲージメント調査を導入し、昨年度は毎月、今年度は隔月でパルスサーベイを実施しています。エンゲージメント向上に向けた取組みも活発に行われ、総合スコア改善につながっています。
職種別のスコアと向上の取組み
外部調査会社によるサーベイを導入し、第一生命における金銭の不正取得事案発生以降、独自設問として企業文化・風土の変革の体感の度合いを示す「変革の実感」を加えていますが、当該スコアはこの1年で大きく上昇しています。また、9つ中5つの構成項目でスコアが改善し、取組みの成果が現れています。
一方、事業の方向性に対する理解・共感度を示す「理念戦略」は横ばいであり、タウンホールミーティングや少人数での「役員と語る」会など、社員と経営の対話の場を設け、経営戦略の理解と共感を深める取組みを継続して実施しています。こうした取組みを通じて経営ビジョンの理解や変革への意識の高まりを実感している社員の声も寄せられています。
●事例 ボトムアップでのエンゲージメント向上(第一生命 主計部)
個々人の目指す姿とともに、組織として目指す姿を共有し、そこに向かって取り組んでいくことがエンゲージメント向上につながると捉え、特に人財育成と組織風土を「業務を遂行するための2つの土台」と位置付けて取り組んでいます。組織として継続して取り組むため、毎月1回、進捗確認や好事例の共有を行う主計部DSR委員会を2022年4月に設置し、その傘下の3つのプロジェクトチーム(人財育成、組織風土、業務遂行)で施策を検討しています。組織長が全員と個別に対話し、自己開示を行うと同時に、取組みへの意見交換をするなど、心理的安全性の高い環境づくりやボトムアップでの取組みを推進しています。
●事例 部署・職位を超えた交流促進で「一体感」を醸成(第一フロンティア生命)
更なる一体感醸成に向けて、社長との少人数でのタウンホールミーティング、部署や職位を超えて1対1で対話する「クロス1for1」や、若手社員やキャリア採用者による座談会を実施しています。エンゲージメント調査でも、「組織風土」のうち「部署間の協力」スコアが前年比5ポイント向上するなど、成果が現れ始めています。各種取組みについては、参加者へのアンケートを通じて継続的なレベルアップにも取り組んでいます。
※タウンホールミーティングは14回実施、延べ約240名参加
成長(第一生命グループの人財育成)
当社グループは、社員が新たなスキルと意欲を高め続けられるように一人ひとりが成長に向けて挑戦し、皆で高め合い、新しい可能性を生み出すことができる環境づくりを進めています。とりわけ、常にお客さまを想い、社員自らが自身のキャリアを考え、自律的に取り組んでいく必要があると考え、上司による部下の成長支援の取組みである1for1(「第一生命版1on1」)は、社員の「ありたい・やりたい」をキャリア形成につなげる場として社内に浸透しています。また、国内外の急激な環境変化において、社員教育への投資も年々増強しています。人々の行動や価値観も変化し続けるなか、常に「お客さまが求めるもの」を軸に、それに向けて自身のありたい姿を具体化し、多様なスキルや経験を通じて社員が自らを高め続けることを支援しています。
2021年 | 2022年 | 2023年 |
4.4億円 | 5.0億円 | 6.6億円(予定) |
※内勤職自らが取り組む自己啓発支援や、会社主導による社内外のオンラインを含む研修への投資額。社員一人当たり約6.1万円(各所属ごとの個別取組みや、生涯設計デザイナー等の営業職掌への投資は含まず)
代表的な施策
- 1for1(第一生命版1on1)
- タレントマネジメントプログラム
- 年齢別キャリアデザイン研修
- Myキャリア制度(社内公募)
- 社内外における副業
- 次世代リーダー育成プログラム
- DX人財育成プログラム
- グローバルジョブポスティング
- グローバル人財育成プログラム
- 「自分改革」プログラム
(語学、Udemy、DL NetCollege等幅広い能動的な自己啓発支援)
国内・グローバルにおけるタレントマネジメントプログラム
次世代リーダーの発掘と育成に戦略的かつ継続的に取り組むことを経営戦略の一つと位置付けています。候補人財の発掘から、外部評価によるアセスメント、年間を通した定期的なタレントレビューを経て、育成・モニタリングを行う一連の流れを主たるポジションごとに継続して実施しています。このマネジメントサイクルを通して、経営環境の変化に対応すべく、役員はじめ主要組織長ポジションへの外部人財の登用も積極的に進めています。
能力開発プログラム
プログラム名 | グローバル人財育成プログラム | DX人財育成プログラム |
---|---|---|
内容 |
グローバルに活躍できる人財の確保に向け、継続的に海外留学・トレーニー等による成長の場の提供や、グローバルビジネス実践力向上に向けた取組みを実施。海外事業に関心のある社員が自発的にキャリアを積めるように公募制度を活用したプログラムも提供。具体的な実施メニューは以下の通り。
|
当社グループでは全社員にデジタル思考を普及させ、デジタルの民主化を達成することが会社としての競争力を高めるものと考えていることから、全社員がデジタルスキルの向上に取組むためいくつかのプログラムを提供しています。また、DX人財をレベルごとに分類し、全社員が到達すべきレベルをDX活用人財と定義づけ、毎年の到達人数に目標を設定しています。プログラムの詳細は以下の通りです。 <Off the Job Training> 以下に関する基礎的なトレーニングプログラムを提供
<On the Job Training> 選抜制のDXエキスパート人財の育成プログラムを実施。 |
プログラムの目的の説明 ビジネスメリット |
グローバル人財育成プログラムは、海外事業展開を支える専門スキルやマネジメント力を持ったグローバル人財を安定的に輩出することを目的とし、経営戦略の遂行上重要な人財を育成するプログラムである。現在の中期経営計画は、2026年に保険領域で海外利益占率40%を達成し、非保険領域では海外を含む戦略投資・M&Aを通じた新規事業の拡大を目標としている。これらの目標を達成するために、グローバル人財の育成・確保は重要であり、企業価値の向上に直結すると考える。 |
社内外の課題を解決するためにデジタルを活用し、ビジネスモデル変革・事業効率向上を実現できる人財を育成する。 保障領域にとどまらないお客さま体験価値を創出するため、また社内の業務効率の改善のためにはデジタルスキルの活用が不可欠である。顧客価値の向上、またデジタルスキルの活用を通じた業務効率の改善は当社の企業価値の向上に直結する。 |
ビジネスへの定量的なインパクト ベネフィット(金銭的または非金銭的) |
2023年には40名の海外公募制度応募がありました。 また、英語コミュニケーション能力が一定以上の管理職(プールⅠ)が167名、英語コミュニケーション能力が一定以上の中間職階層(プールⅡ)が314名となっています。研修実施を通じ、プールⅠおよびⅡの合計人数は昨年度比18%増加しています。 |
ITパスポート試験 累計合格者数(2021年~2023年):2,387人 ITパスポートは日本の国家試験である情報処理技術者の試験のうちの一つであり、当社のDX人財育成を図る指標の一つでもあります。研修によるこの試験の合格者の増加は従業員のデジタルスキルの向上を示唆しており、これは当社の企業価値の向上に繋がっていると言えます。 |
プログラムに参加している従業員の割合 | 8.0% | 41.0% |
国内・グローバルにおける公募制度
社員のキャリア実現を支援する為、社員自ら強みを発揮できる機会の提供に取り組んでいます。
国内では、自身のキャリアを自律的に考え、自らキャリアを切り開くために「Myキャリア制度」を導入し、グループ内外の企業において保険の枠組みを超えた多様なフィールドで活躍できる職務を幅広く用意しています。公募職務数・応募者数・合格者数は年々増加し、「社員がキャリアを選ぶ時代」が実現されつつあります。グローバルではグローバルジョブポスティングプログラムを開始し、グローバルに活躍する機会に社員が自ら手を挙げ、国を超えて専門性を発揮しています。公募国は日本、シンガポール、インド、タイ、イギリス、参加者はアメリカ、オーストラリア、シンガポール、インドと応募数・範囲も拡大し、グループとしてともに成長し、高め合い、成功を支援する風土づくりにつながっています。
国内:My キャリア制度(4月時点)
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|
公募職務数 | 175 | 222 | 301 |
応募者数 | 188名 | 302名 | 371名 |
合格者数 | 73名 | 93名 | 141名 |
~社員の声~
TAL, Head of Cyber Transformation, Information Security and Cyber
Samer Fouani
(当社のグローバルITコラボレーションプロジェクトに参画)
自ら挑戦し、既成概念に捉われず、如何に効率的にスケールの大きな仕事に向き合うかを考える機会を得られており、プロジェクトをリードしながらグローバルチームの一員であることを体感しています。
~社員の声~
スター・ユニオン・第一ライフ
Manager
Ashok Kumar Sharma
(当社のイノベーションファンドプロジェクトに参画)
このプロジェクトは私のキャリアにおいて非常に価値あるものです。グローバルに働くスキル・知識の強化だけでなく、当業界の現状理解を通して社会における当業界、そしてその先について考える機会になっています。
従業員個人の評定の種類
当社の人事評価制度
種類 | 頻度 | 内容 |
---|---|---|
個人業績評価 | 年3回 期始・期中・期末 |
期始に上司・部下で面談を行い、社員一人ひとりが年間を通じて取り組む目標と、具体的な達成水準のすりあわせを行います。目標は、所属する組織の課題を個々の社員の担当業務にブレイクダウンし、これを課題として付与することを通じて設定します。こうしたプロセスを経ることによって、個人目標の達成が組織業績の向上につながり、ひいては会社全体の業績向上につながる仕組みとしています。期中(9月)の面談で、期始に設定した目標の遂行状況をフォローし、年度末に通年の達成状況の振り返りを行います。 |
組織業績評価 | 年1回 期末 |
各部組織において中期経営計画に基づく組織目標を複数設定し、年度末にそれぞれの目標の達成度合いを評価しています。上記の通り、所属員の個人目標は組織目標に基づいて設定されており、各所属の総合評価の結果は所属員の賞与に反映する仕組みとしています。 |
360度レビュー | 年1回 期末 |
同僚、部下や業務上接点のある社員など、複数の様々な立場の関係者が一人の従業員を観察する多面調査の仕組みです。複数の観察者による観察結果(=客観的な周囲の認識)と対象者本人の認識におけるギャップを対象者本人が理解し、さらなる意識改革や行動・自己変革を促すことを目的としています。 |
当社では、上記の評価制度をワークさせ、かつ上司と部下の信頼関係の構築を通じて社員の自律的な成長を支援することを目的に、「1for1(第一生命版1on1)」を実施しています。評価制度に基づく年3回の面談以外でも、毎月1回以上、15~30分を目途に継続的に実施する運営としており、目標やその目標に向けた現在地、改善点などの共通認識を持つ機会を設けています。
また、当社では従業員向けの株式報酬制度を導入するとともに、臨時給与額を決定する要素の一つに相対TSR(Total Shareholder Return)を設定しており、直近3年間の相対TSRの順位によって従業員の臨時給与が増減することで、社員に対する長期的なインセンティブとして機能する仕組みを採用しております。
従業員向けの株式報酬制度は第一生命保険従業員持株会の会員を対象としており、本持株会は生涯設計デザイナーを含む全従業員※が入会対象です。
- ※
第一生命と雇用契約を締結している者が対象であり、非常勤嘱託等は除く
共創
当社グループでは、多様な価値観、考え方、能力、経験、専門性をもった人財がお互いに意見を出し合い、総合力を発揮し、また意思決定に参画する世界を目指し、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の取組みを加速させています。管理職層をはじめ、意思決定層において女性の比率を高めていくことはもちろんのこと、国内ではキャリア採用者の組織長登用比率も重視し、多様な人財が意思決定し、組織文化を変えていくことを重視しています。イキイキとモチベーション高く仕事に取り組める職場環境・風土をつくり、社員が多様な個性を活かして最大限に能力を発揮していくことが企業の持続的成長につながると考えています。変化のスピードやお客さまニーズが多様化している時だからこそ、多様性の観点から意思決定の質を上げて取り組むことにより、働きやすさ・働きがいにつなげ、強い人財集団を目指しています。
主要な施策
- 女性向け階層別研修
- 女性リーダー育成の為の役員・部長とのクロス1for1
- 女性ロールモデル交流
- 階層別女性リーダー割合の目標設定と後継者計画
- 障がい者の活躍推進
- グローバルDE&I活動
- キャリア採用者への入社後サポート取組み
- 社内でのDE&I推進の為の各種コミュニケーション
女性活躍推進
国内グループでは、2030年までに女性役員比率30%を目指してパイプライン強化に取り組んでいます。階層別研修を充実させるとともに、各役員が担当部門のマネジメントポスト候補者を選出する際、各ポストの30%を女性とする運営を行っています。また、役員が候補者を直接「見る」「育てる」機会として、普段接点のない部門の候補者をクロスして受け持ち、定期的に1for1を実施しています。グループ各社でも同様に女性活躍推進に取り組んでおり、TALでは組織全体のスポンサーシップを通じて女性リーダー育成のための「Female Sponsorship Programs」を実施しています。リーダー候補として選抜された女性社員は半年間課題に取り組みながら、ビジネス感覚や経営者としての視点を養います。役員や部長がスポンサーとして活動を支援することで、参加者は自己のブランディングを行い、自信を高めると同時に、経営層と部門を超えた関係構築ができます。経営層にとっても次世代を担う女性リーダー候補を理解する機会となり、スポンサーシップ文化の醸成につながっています。このプログラムの結果、TALは2023年に女性リーダーの比率を40%以上にまで高めています。このようなグループ各社における効果的な取組事例を互いに学びあうことで、グループとしてのシナジー発揮も推進しています。
~クロス1for1・スポンサーシッププログラム参加者の声~
ネオファースト生命 ラインマネジャー
松田 紀子
部門・キャリアも異なる落合執行役員との1for1では、多様な考え方、客観的な視点からのアドバイスを受けることができ、知見と視野が広がり、これまでとは異なる仕事の進め方を学ぶことができました。特に、経験のない部門に着任した直後であり、知識や関係性が少ない中でのマネジメント・情報収集方法や、交渉・折衝する際のヒントなどのアドバイスが現在業務上でも役立っていると同時に、今後自身が何を習得していく必要があるのかを考える良い機会となりました。
第一生命 執行役員
落合 敦子
松田さんは、未経験の分野にラインマネジャーとして異動されたばかりで、状況把握や課題の発見に努められていました。1for1では、終始笑顔でお話をされる姿が印象的で、毎回、悩みや課題を共有して貰い、次へのステップを一緒に考えるような時間を過ごしました。回を重ねていくうちに職場にも慣れ視座が高まり、着実に自信を付けられているように感じました。多様な視点や職場の様子を聞ける機会は、私にとっても勉強になります。こういった対話の機会を通じて、お互いが刺激を受け、ともに成長できればと思います。
TAL, General Manager
Samantha Holt
スポンサーがとても熱心で、参加者との面談に多くの時間を費やし、貴重な洞察や助言を与えてくれました。忙しい日々のなかでも、仕事の進め方や自身の成長について真剣に考え、仕事上の人間関係やスポンサーシップの活用、自己ブランディングの重要性など多くを学ぶことのできる、大変有意義な経験でした。
女性のリーダー層拡充に向けた参考データ
新卒採用女性比率(※1) | 49% |
---|---|
キャリア採用女性比率(※1) | 62% |
管理職キャリア採用女性比率(※1) | 30% |
管理職女性比率(※2) | 29.3% |
組織長女性比率(※3) | 18.5% |
役員助成比率(※4) | 13.4% |
- ※1
当社、国内生保3社の内勤職の合計
- ※2
当社、国内生保3社の合計
- ※3
当社、国内生保3社の管理職のなかでも組織の長であるライン部長、ラインマネジャー級の職位の合計
- ※4
当社および第一生命の合計
幸せ
当社グループは、お客さま、地域・社会全体の健康増進に寄与する「健康経営」を実践し、すべての人々のwell-beingへの貢献を目指しています。その土台となるのは社員のwell-beingであり、安全・健康に向けた取組みを継続・強化するとともに、働きやすい職場環境・風土醸成が欠かせません。well-beingな社員、前向きに課題を乗り越える組織風土を通じてグループ、そして社会に貢献しています。
代表的な施策
- 人間ドッグ、各種がん検診の費用補助
- マンモスバスの全国巡回
- 社内の安全・健康のためのセミナー実施
- QOLism(健康増進アプリ)の活用促進
- セルフケアツールの提供
- 男性育児休業の取得推進
- 育児と仕事の両立支援体制強化
- フルリモート勤務
- 多様な働き方を支援する休職休暇制度
男性育児休業の取得推進
2022年から「男性社員の育児休業累計1ヵ月以上100%取得」を目標に取り組んでいます。パートナーの産後や育児不安のピーク時に寄り添い、男性社員が育児・家事に主体的に取り組めるよう「プレパパセミナー」での意識付けをはじめ、上司・部下での育休取得計画書の活用や、最大で20日間の有給休暇を付与するなど、法令対応を超える取組みを推進しています。マネジメント層を対象とした「イクボスセミナー」も開催し、多様な社員への理解・協働を通じて互いに支え合う職場環境づくりを推進しています。
~社員の声~
第一生命 アシスタントマネジャー
長谷川 純也
育休期間に一通りの育児を経験し、ワンオペ育児スキルも身に付けました。育児は実際に経験しないと分からない大変さがあり、パートナーへの感謝、自身の子育てや家族への向き合い方も変わりました。仕事面では、限られた時間でより成果を出すべく、以前より効率・メリハリを意識しながら業務を行っています。同僚から「パートナーが妊娠した」と聞いたら、迷うことなく育休取得をお勧めします。(男性育児休業取得期間は①出産直後②パートナーの職場復帰の時期に分割取得、計31日取得)
社員の安全・健康のためのセミナー
社員が安全・健康にイキイキ働くことができるよう①疾病予防、②重症化予防、③メンタルヘルス対策を柱に産業保健スタッフによる研修・面談等の支援をはじめ、多種多様なセミナー開催を通じて、健康増進を後押ししています。また、ナショナルセンター、第一生命経済研究所によるセミナー等を通じて、お客さま・地域の皆さまも含めた健康増進に取り組んでいます。2022年度は男女共通の更年期障害をテーマに、他企業・外部専門家・経営層によるパネルディスカッションを共催し、健康課題を職場全体のものと捉える重要性、働きやすい風土づくりについて考える貴重な機会となりました。
主な健康関連セミナー
- 女性特有の病気と両立
- ホルモン変化による不調・更年期
- メンタルヘルス対策
- 快眠生活
- 健康診断項目の見方
- 各種がん対策
- 認知症
- フレイル
- 食生活
安心
当社グループは、現在、そして未来に向けて、持続可能な社会の構築に努め、お客さま、地域社会とすべての社員を支援しています。社会性・公共性の高い生命保険事業を本業とする当社グループだからこそ、社員による持続可能な社会の構築に向けた活動への参画も人財戦略の重要な柱の一つです。活動に参加する社員を支援し、より多くのお客さま、地域社会に貢献できる機会を社員に提供することで地域社会の発展に貢献しています。グループ各社においては、健康増進や環境保全、次世代社会の創造等の生命保険事業と親和性の高いテーマに沿った施策を展開し、各国各地域に根差した持続可能な社会を構築する取組みを拡大しています。
- 各拠点での地域貢献活動
(ボランティア、子ども食堂、女性貧困支援、地域の児童への金融リテラシー教育等) - 全国各地での健康・医療セミナー開催
- 環境保全活動
- 企業版ふるさと納税(人材派遣型)
- 地域での女性交流会
- 社員の健康増進活動や環境保護活動を通した地域への寄付活動
- 厚生労働省・がん対策推進企業アクション参加
社外へのキャリアローテーション(企業版ふるさと納税、人材派遣型)
2022年より全国の地域課題解決に向けた取組みとして「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」の活用を開始しました。2023年6月1日時点で64の地方公共団体等に67名の幅広い職位の社員を派遣し、内閣府から「令和4年度地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」を受賞しています。派遣した社員は、観光事業促進、子育て支援、地域福祉の向上など地域の課題解決に向けた業務に従事しており、地域・社会の持続性確保に貢献しています。本制度の活用を通じ、地域・社員・当社との「つながり・絆」による協働をさらに深化させ、「三方良し」での地域課題解決を進めています。
~社員の声~
奈良県庁 観光局観光プロモーション課
中村 祥子
神社仏閣や歴史等、奈良県の強みである観光資源を活かした誘客プロモーションや、奈良の食の魅力を活かした宿泊促進事業を担当しています。成果だけではなく、官公庁が実施する事業の社会的意義や影響を考える必要があり、第一生命とは異なる学びを得て、新たな自己成長につながっています。地域活性化と関係の深い観光業務を経験させていただくことで、奈良県の地域活性化にどのように貢献ができるか、学んでいきたいと考えています。
社員の健康増進活動を通じた地域貢献活動
第一生命ベトナムでは「Healthy to Connect-Healthy to Love」をスローガンに、人々の健康や福祉を促進する戦略の一環としてDai-ichi Life-The Route of Loveと名付けた「バーチャルラン」を実施しています。この取組みでは、参加者が水泳、ヨガ等50以上の運動をアプリに記録し、健康増進に役立てるだけでなく、ウォーキングやランニングの距離に応じた寄付を行い、植樹や、恵まれない環境にある人々を支援しています。バーチャルランはベトナムの主要4都市で開催し、全国各地のお客さま、個人代理人や第一生命ベトナムの社員総勢24,475人が参加しました。走行距離は8,567,551kmを達成し、ベトナム記録協会(Viet Kings)から最長走行距離となるバーチャルスポーツとして認定され、約50億ドン(約3,000万円)の寄附金を集めました。このような活動を通じて、人々の健康で幸せな生活の維持に貢献しています。
健康経営・労働安全衛生
社員の健康増進
基本的な考え方
第一生命グループの「健康経営」は、社員にとどまらず、お客さま、社会全体の健康増進を目指しています。第一生命グループは、創業来、生命保険事業を通じて、お客さまの生活に安心をお届けすると同時に、健康増進に寄与する経営を行うことで社会的使命を果たしてきました。健康寿命の持続的な延伸という社会課題解決のために、その担い手である社員の健康増進を継続・強化することで、「一人ひとりのWell-beingと健全な地域・社会への貢献」に挑戦しています。
第一生命の健康経営取組み内容についてご紹介します。
健康宣言
第一生命グループでは、2011年7月に「第一生命グループ健康宣言“いきいきダイイチ110”」を宣言し、2013年4月には「第一生命グループ企業行動原則」に「健康増進」を加えることで「健康経営」の浸透を図ってきました。現在は、2013年に制定された「健康増進基本方針」とともに、2024年4月に刷新された「グループ行動規範」においても「社員のWell-being実現」、「心身の健康増進」を明示しており、すべての役員・社員が健康経営を実践していくうえでのよりどころとしています。
【グループ行動規範】
【健康増進基本方針】
労働安全衛生
-
~労働安全衛生の取組方針~
第一生命は、取締役会決裁により制定された「安全衛生管理規程」を社員および組織に適用させることにより、労働安全衛生法をはじめとする関連法令を遵守しています。また、安全衛生活動を通じてWell-beingな職場環境維持を目指しています。産業医、衛生管理者、労働者の代表が参加する衛生委員会を定期的に実施し、安全衛生・心の健康づくりに関する年間計画に基づき、各事業所の健康課題や労働災害等の労働安全衛生に関する目標値の設定および優先順位付けをするとともに、パフォーマンスの把握や目標達成に向けた取組みを推進しています。また、内部監査部門、リスク管理部門等と連携し、勤務管理ルール(適切な労働時間、休暇取得等)が遵守されるとともに、衛生委員会が適切に開催されるよう、内部統制セルフ・アセスメント(CSA)を実施し、確実な取組みを検証しております。
推進体制
CHRO(Chief Human Resources Officer)を責任者とし、人事ユニット健康増進グループを中心に、社内・社外と協働し、社員Well-beingの実現に向けた取組みを推進しています。また、各事業所には、勤務管理責任者、衛生管理者等の労働安全衛生活動・健康増進取組を推進する担当者を設置しており、産業医、保健師、健康増進グループ事務局と連携しながら取組みを実施しています。
健康課題・施策・推進状況等については、CHRO、各種委員会、健康保険組合会、衛生委員会、労働者代表等に定期的に連携または協議することで、PDCAサイクルを回し、健康経営への取組み、労働安全衛生のレベルの向上を推進しています。Chief Sustainability Officerが委員長を務める「グループサステナビリティ推進委員会」にて健康経営の取組を報告し、PDCAを回しています。
なお、健康増進グループメンバーは、労働衛生コンサルタント、健康経営エキスパートアドバイザー等の資格取得を通じて、専門性の向上を図っています。
目指す姿と健康施策とのつながり
第一生命グループでは、社員Well-beingの実現を目指し、健康経営戦略マップを基に指標を定め、それに基づいて健康施策を実施しています。また、労働安全衛生マネジメントシステムの考え方の下、健康・安全に働くことができる環境を確保・維持・改善する施策に取り組んでいます。これら施策の実効性を高めるために、PDCAサイクルを回し、施策の効果を含めて定期的な見直しを行い、社員と組織の健康度や労働安全衛生のレベルの向上を推進しています。
また、災害、事故、疾病、パンデミック等労働安全衛生に関するリスクの特定やリスク評価を定期的に行っています。この過程で把握した重要なリスクに対して優先的に対策を講じ、CHROや関係委員会等と連携または協議するなど、健康施策のPDCAサイクルを回し、社員に対して事故防止の研修や情報提供を定期的に実施するなど、再発防止に努めています。
【健康経営戦略マップ】
重点取組み
社員一人ひとりが「やりがい」と「働きがい」をもって働くためには、健康な毎日を過ごすことが重要と考え、健康経営実践への取組を継続しています。マネジメント層を中心に心理的安全性の高い職場づくりを進めるとともに、社員一人ひとりが自分らしく、最大限にその力を発揮できることを目指しています。
また、近年のテレワーク等を契機とした急速な働き方の変化により、生活習慣病リスクの上昇や職場コミュニケーションに変化がもたらされており、特に「生活習慣病予防」と「メンタルヘルス対策」の2点を重点取組と位置付けて、社員Well-being実現に向けて取り組んでいます。
具体的な取組み
■健康診断・保健指導
定期健康診断後の再検査受診勧奨と事後措置保健指導の徹底、健康保険組合が実施する特定保健指導を会社として全面的にバックアップすることで、生活習慣病の早期対応、重症化予防に取り組んでいます。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2026 年度 目標 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
健康診断受診率 (一次) |
99.8% | 99.6% | 99.8% | 99.9% | 99.9% | 100.0% | |
健康診断受診率 (二次) |
86.4% | 81.3% | 85.7% | 87.8% | 87.8% | 100.0% | |
事後措置保健指導 実施率 |
90.5% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | |
特定保健指導完了率 *DL一般被保のみ |
90.5% | 90.1% | 93.1% | 91.1% | 現在 実施中 |
90.0% | |
適正体重維持者 割合※1 |
男性 | 68.2% | 67.0% | 67.6% | 67.4% | 67.2% | 72.0% |
女性 | 74.1% | 73.5% | 74.0% | 73.9% | 73.5% | 81.0% | |
睡眠充足率※2 | 男性 | 82.1% | 87.3% | 85.6% | 86.1% | 84.6% | 75.0% 以上 |
女性 | 70.8% | 78.8% | 74.9% | 75.0% | 74.3% | 75.0% 以上 |
|
リスク 飲酒者 割合※3 |
男性 | 14.5% | 13.4% | 12.7% | 14.2% | 13.2% | 13.6% |
女性 | 17.2% | 17.4% | 16.9% | 17.9% | 17.9% | 16.9% | |
血圧リスク者割合※4 | 0.5% | 0.5% | 0.4% | 0.4% | 0.4% | 0.0% | |
糖尿リスク者割合※5 | 1.0% | 0.9% | 0.9% | 0.9% | 0.9% | 0.0% | |
脂質リスク者割合※6 | 17.2% | 18.3% | 17.1% | 16.1% | 14.9% | - |
- ※1
BMI25未満の社員の割合
- ※2
睡眠で休養が十分とれている「1.十分とれている」「2.まあまあとれている」と回答した社員の割合
- ※3
1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性20g以上の社員の割合
- ※4
収縮時血圧180㎜Hg以上 / 拡張期血圧110㎜Hg以上
- ※5
HbA1c8%以上
- ※6
脂質で「要受診・精検」と判定された社員の割合
■がん検診
各種がん検診の受診率向上にも力を入れており、検診費用の全額補助をおこなっています。特に、女性社員が約9割を占めることから、乳がん検診については、マンモバスを全国約320ヶ所に走らせるなど受診しやすい環境づくりにも取り組んでいます。また、子宮頸がんについては、受診率向上のため、専門職が中心となって、HPVワクチンや最新情報に関する動画を配信するなど、働きかけを強化しています。
全国を走るマンモバス
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2026年度 目標 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
胃がん 検診受診率 |
47.8% | 47.0% | 46.7% | 46.5% | *2025.9月公開予定 | 60.0% |
大腸がん 検診受診率 |
78.6% | 79.9% | 80.3% | 81.0% | *2025.9月公開予定 | 80.0% |
乳がん 検診受診率 |
71.8% | 71.7% | 72.3% | 77.1% | *2025.9月公開予定 | 80.0% |
子宮頸がん 検診受診率 |
33.6% | 33.1% | 34.9% | 36.5% | *2025.9月公開予定 | 60.0% |
■ヘルスリテラシー
<こころとからだの健康>
毎年、全社員を対象としたセルフケア研修、管理職層を対象としたラインケア研修を実施し、実施後には理解度を確認するテストをおこなっています。
グループ会社の保健師による、病気の予防や生活習慣、栄養の知識やエクササイズ、マインドフルネス等をテーマとした健康セミナーを開催しています。また、社員の8割以上が登録している健康アプリ「QOLism(キュオリズム)」では運動をテーマにしたオンラインセミナーや動画配信、食事・睡眠・ストレス等に関する情報提供をおこなっています。
さらに直近では、包括提携先である国立精神・神経医療研究センター理事長によるマネジメント層・社員向けセミナーをそれぞれ開催し、よりよい職場環境づくりに向けた未然防止策・疾病に関する正しい理解促進に取り組みました。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2026年度 目標 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
セルフケア研修 受講率※1 |
96.1% | 96.3% | 95.1% | 98.0% | 98.1% | 100.0% |
ラインケア研修 受講率※2 |
96.3% | 95.8% | 95.2% | 93.6% | 95.5% | 100.0% |
- ※1
内容:家庭や治療との両立、健康的な生活習慣、ストレス対処、女性の健康等
- ※2
内容:メンタルヘルス・ラインケア、両立支援、女性の健康、部下のセルフケア
<健康と仕事の両立>
第一生命グループは女性社員の割合が高いことから、女性の健康も重要な健康課題のひとつと捉えており、女性特有の健康課題や治療に対する理解を深め、本人・周囲のリテラシーを向上させることで、社員が自分らしいキャリアを構築できるよう、各種セミナーを実施しています。
<2021-2023年度実施テーマ>
女性のがん / 子宮の病気 / 月経前症候群 / 月経困難症 /
男女の更年期 / 不妊治療・卵子凍結 / 男性更年期
<他企業との合同セミナー>
2022年度は、男女共通の症状が多い更年期障害を切り口に、外部専門家と経営層によるパネルディスカッションを織り交ぜたセミナーを他企業と共催し、性別・年齢を超えた幅広い社員が参加し、アンケートでは参加者の約9割が満足を得られています。
<第一生命WOMAN'sデー>
2023年度は、国際女性デー・女性の健康週間の時期にあわせて、「第一生命WOMAN'sデー」を開催しました。グループCEOの登壇、有識者の講演と事業会社社長のトークイベントを実施することで、社員一人ひとりが「自分らしい人生や働き方」、「一緒に働く仲間にどんな支援ができるのか」を、本人・上司・同僚それぞれの立場で考える機会としました。
■運動・食生活に対する取組み
2016年度から、社員一人ひとりの健康増進取組みに対してインセンティブを付与する「ヘルスケアポイント制度」を導入しており、2021年10月にグループ会社が開発した新しい健康増進アプリ「QOLism」に移行し、全社チーム対抗戦等のウォーキングイベントの開催や、食事記録、腹囲計測、運動といった様々なコンテンツにより社員の健康増進を後押しています。利用者アンケートではアプリの活用により行動変容につながったとの回答が運動で89%、食事で71%を占めています。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2026年度 目標 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ヘルスケアポイント登録率 | 62.7% | 76.7% | 73.9% | 79.4% | 80.6% | 80.0% | |
運動習慣者割合※ | 男性 | 45.8% | 54.5% | 53.6% | 55.0% | 54.4% | 50.0%以上 |
女性 | 32.5% | 38.1% | 36.0% | 36.2% | 34.9% | 40.0% |
- ※
30分・週2回以上の運動を1ヶ月以上継続している社員の割合
■禁煙支援
毎月2のつく日(2日・12日・22日)を「禁煙の日」と制定し、禁煙の重要性を呼びかけるポスターの掲示など、禁煙の啓発活動を積極的に行っています。また、アプリを使った禁煙支援プログラムの提供や禁煙外来費用の自己負担額を全額補助するなど、禁煙を希望する社員への支援を進めています。
全社に掲示している禁煙ポスター
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2026年度 目標 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
喫煙率 | 男性 | 29.5% | 27.7% | 27.9% | 27.3% | 27.7% | 23.0% |
女性 | 24.4% | 23.7% | 22.8% | 22.2% | 21.9% | 20.0% |
■メンタルヘルスおよびエンゲージメント向上
すべての社員のWell-being実現を目指し、「メンタルヘルス対策」は重点取組のうちの一つと位置付けています。「エンゲージメント向上」はその中の具体策として取り組んでいます。
エンゲージメントスコアの詳細は「健康経営の最終的な評価指標」を参照ください。
<国内事例>
毎年実施しているストレスチェックの結果、高ストレス者に対し、医師による面談や保健師による相談を実施するとともに、職場単位の分析結果を所属長に連携しています。また、社員へのストレスに関する意識づけやセルフケアを促す取組みを通じ、早期発見・早期対応による悪化・再発防止に努めています。また、上司と部下の定期的な「1for1」※1による職場内のコミュニケーションの向上を図っており、上司に対してはマネジメント力強化取組みのひとつとして1for1トレーニングを実施しています。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2026年度 目標 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
ストレスチェック 受検率 |
83.4% | 84.5% | 83.8% | 81.2% | 86.3% | 90.0% |
高ストレス者割合 | 16.6% | 11.1% | 13.5% | 14.9% | 14.7% | 10.0% |
また、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)が提供する「KOKOROBO(ココロボ)®」(スマホやパソコンを使ったオンラインによるメンタルヘルスケアシステム)を社内に周知し、メンタル不調の予防と不調のある方への早期手当のための対策にも取り組んでいます。
なお、当社はメンタルヘルスに関する課題解決により一層貢献すべく、NCNPとの協働プロジェクト「『全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-J)』によるメンタルヘルスプラットフォームの開発と全国実装拠点」に参画しています※2。
加えて、従業員のエンゲージメント向上の一環として、各種福利厚生を提供しています。
代表的な事例として2024年に当社グループに加わったベネフィット・ワン社の提供する「ベネフィット・ステーション」があります。
これは会員制の割引サービスで、福利厚生として生涯設計デザイナーを含む全従業員※3を対象に導入しています。
- ※1
第一生命版「1 on 1 ミーティング」の名称
- ※2
- ※3
第一生命と雇用契約を締結している者が対象であり、非常勤嘱託等は除く
<海外代表事例>
Protective Life Corporation(PLC)では、オフィス内のアメニティをはじめWell-beingを支援する包括的な福利厚生を提供し、2022年には、新たなプロバイダーとともに、より包括的な従業員アシスタント・プログラム(Employee Assistant Program, EAP)を導入し、従業員が専門的な支援を受けられる機会を拡大しました。EAPでは、対面でのカウンセリングからオンライン・セラピーまで、社員とその家族の心の健康増進に役立つ様々な施策を実施しています。また、EAPプロバイダーが提供する、同業他社のエンゲージメント調査結果の情報を活用することで、社員の公私両面での成長をサポートすることも行っています。2022年には、社員の8%以上がこのプログラムを利用しており、これは同規模の同業他社の一般的な利用率の2倍に相当します。
■長時間労働対策
管理職を含めて一定の時間を超えて勤務している社員に対しては、産業医との面接で健康状態全般を確認するとともに、必要に応じて所属部門長と人事部が連携するとともに、部門担当役員とも連携することを通じて、労働環境の改善に向けて努めています。あわせて、内部監査部門とも連携して、定期的なモニタリング等を通じて、適正な勤務管理を実施しています。モニタリングの状況や適正な勤務取組みについては、CHROにも定期的にレポーティングし、適切な労働時間管理を促進しています。
■感染症対策
パンデミック等による緊急事態に備え、毎年社内にて感染症研修を実施するとともに、関連規程・基準書および行動計画、備蓄品等を整備し、定期的に見直しを行っています。また、感染症法に基づき、結核、麻疹、風疹などの感染症が発生した場合の対応の基準を社内通達で発信し、適時・適切な報告が事務局になされることで感染拡大防止・安定的な事業継続に努めております。
パンデミックが発生した際には経営層や経営企画および人事部門、産業保健スタッフ等で構成される感染症対策本部を立ち上げて機動的に協議し、BCP(事業継続計画)に基づき各対応を実施しました。
■労働災害対策
当社における労働災害は、通勤途上・外出中における駅の階段や道路でのつまずきや転倒などが主なもので(約80%)、重大災害は起きていません。
また、労働監督基準署等の関係機関からの重大な法令違反にかかる指摘は受けていません。
産業医や衛生管理者による定期的な事業所での職場巡視により、安全確保・リスク除去のための措置を適時講じているほか、労働災害発生状況を分析した結果から定期的にリスク要因を特定し、全社員に対する再発防止教育を実施しています。近年では、テレワークが増加していることも踏まえ、テレワークの際の労働環境の指導等も教育機会の中に含むようにしています。これらについて、衛生委員会での調査・審議により労働災害の未然防止策を図っています。
さらに、的確かつ詳細に事故状況・本人の治療状況等を把握するともに、事故内容に即した適切な処置を指示し、担当部門あてに速やかに報告することを社規に定めています。会社は、報告内容を踏まえて、被災者本人に対するヒアリングや調査により原因を特定し、労基署あてに所定の報告を行っています。
災害に関しては、取締役会決裁により制定された「防災および災害対応規程」に基づき、大規模災害リスク管理委員会から訓練計画や課題・取組状況等を経営会議に上程しているほか、定期的に災害の備えに関する研修を実施するとともに、「エマージェンシーコール(EMC)」システムを使用し、台風や大雪などが予想される場合には、社員に対して自宅待機や早めの帰宅の呼びかけ、発災後は社員およびその家族の安否確認など、労働災害・事故の未然防止・安全確保に努めています。
また、社員や来訪者の突然の心停止等の発生に備え、各事業所にAEDを設置し、設置時に社員向けに使用方法の講習会の実施や、使用方法を常時情報提供しています。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|
通勤災害件数 ( )内休務有件数 |
296(73) | 201(53) | 258(55) | 271(67) | 242(62) |
業務災害件数 ( )内休務有件数 |
875(181) | 568(104) | 755(141) | 663(126) | 734(121) |
■相談窓口の設置
社員が気軽に相談できるよう、社内・社外の専門家への健康相談窓口を設置し、周知を図っています。
グループ内には内科、外科、精神科等の専門を有する産業医、日本産業衛生学会産業保健看護専門家制度に登録している保健師等の専門家を配置しており、また、社外窓口に関しても、医師・ヘルスカウンセラー(保健師・看護師・ケアマネージャーなど)・心理カウンセラーなどが対応できる体制としております。
社外窓口に関しては、健康・医療・介護・育児・メンタルヘルスなどいつでも必要な時に専門家にきくことができる電話窓口を設置しているほか、現役の産婦人科医・小児科医・助産師からの専門の経験・知識に基づいた回答・助言を得ることができる女性の健康に特化したウェブ相談窓口を設置しています(男性がパートナーについて相談することも可能)。いずれの窓口も相談料無料・24時間・年中無休としています。
さらに、家族のWell-beingは社員のWell-beingにもつながるという考えのもと、上記社外の相談窓口については、社員だけでなく、家族も利用可能としています。
■治療と仕事の両立
企業における「治療と仕事の両立に向けた取り組み」は、働く人の健康確保に加え、安心感やモチベーションの向上・ワークライフバランスの実現につながるとの考えのもと、仕事を続けながら安心して病気の治療を行えるような体制づくり・保障の整備や、早期発見のための取組みを積極的に展開しています。また、治療と仕事の両立がスムーズに実施できるよう産業医等の専門家による復職支援・健康相談等を行っています。
直近では、がんの経験者有志の発案により、ピアサポート活動に取り組んでいます。社員同士(希望者)が、疾病や治療によるそれぞれの体験や様々な想いを共有し、いたわりあい、はげましあい、情報交換をすることで、治療や仕事などへの「やりがい」につなげる集いの場となっています。
実績
■健康経営の最終的な評価指標
第一生命グループでは、健康診断やストレスチェック等の分析結果から把握した健康課題に対し、目標を定め、PDCAをまわしながら課題解決に取り組んでいます。それら取組みの最終的な評価指標に「アブセンティーイズム」「プレゼンティーイズム」「エンゲージメント」の3項目を設定しています。2023年度はエンゲージメント向上をはじめ、各指標改善に向けた取組みも活発におこなわれ、スコアの改善につながっています。
【3つの評価指標】
2022 | 2023 | 2026年度 目標 |
|
---|---|---|---|
アブセンティーイズム※1 | 2.5 | 2.2 | - |
プレゼンティーイズム※2 | 24.0% | 23.4% | 20.0%未満 |
エンゲージメント※3 | 64 | 65 | 66 |
【欠勤率】
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|
欠勤率※4 | 0.94 | 0.96 | 1.32 | 1.32 | 1.32 |
- ※1
従業員アンケート 「過去1年間に自分の病気で何日休みましたか」
測定人数(回答率)…48,552人(回答率81.2%)*長期休務者を除く。 - ※2
従業員アンケート SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版)
測定人数(回答率)…48,552人(回答率81.2%)*長期休務者を除く。 - ※3
Wevox調査 総合ポイント(10~100点)
測定人数(回答率)…2022年 52,906人(回答率68%)/2023年 50,974人(回答率70%)*長期休務者を含む - ※4
何らかの就労不能の理由により勤務していない日数 / 延べ勤務日数
他社との協働
■業務委託にあたっての健康経営・労働安全衛生取組みの確認
業務委託にあたっては、委託先企業にも当社同様の取組みを推進する観点から、従業員の心身の健康増進、過重労働対策等をはじめとする労働安全衛生に向けての取組みについて、「サステナビリティアセスメントシート」を提出いただくこととしています。
■がん対策推進企業アクション
厚生労働省の委託事業である「がん対策推進企業アクション」にアドバイザリーボードとして参画するとともに、先進取組企業(コンソ40)の両立支援分科会にも所属し、メンバー企業とともに、企業におけるがん対策の推進に力を入れています。
■Kenko企業会
社員の健康増進に積極的に取り組む企業で設立した「Kenko企業会」に理事企業として会の運営に携わるとともに、データヘルス分科会、メンタルヘルス分科会に所属し、メンバー企業との情報交換を通じ、健康保険組合とのコラボヘルス、ならびに健康経営に取組みの更なるレベルアップを図る活動もおこなっています。
外部からの評価・表彰
これまでの取組みが評価され、2013年に厚生労働省主催の「第2回 健康寿命をのばそう!アワード※1」において、厚生労働省健康局長 優良賞を受賞しました。また、2015年、2024年に経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄※2」に、2017年~2024年に「健康経営優良法人(大規模法人ホワイト500)※3」に8年連続で選定されました。また、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー※4」にも2017年以降連続で認定され、2024年はシルバー+(プラス)に認定されました。他にも、厚生労働省が推進する「がん対策推進企業アクション」によるがん対策推進優良企業表彰制度において、「令和5年度がん対策推進優良企業」に選ばれました。
- ※1
「健康寿命をのばそう!アワード」とは、Smart Life Project が掲げる4つのテーマ「適度な運動」・「適切な食生活」・「禁煙」・「健診・検診の受診」について、生活習慣病予防の啓発や健康増進のための優れた取組みを行っている企業・団体・自治体などを表彰するものです。
- ※2
「健康経営銘柄」とは経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員らの健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として選定したものです。「健康経営」は、従業員の活力向上や生産性向上などの組織活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されています。
- ※3
「大規模法人ホワイト500」とは経済産業省が定める「健康経営優良法人」の認定企業の一部のことで、大規模法人部門の上位500法人だけが認定されるものです。
- ※4
「スポーツエールカンパニー」とはスポーツ庁が、従業員の健康増進の為にスポーツ活動に対する支援や促進に向けた取組みをする企業を応援するために創設した認定制度です。
地域・社会への貢献
お客さま向けセミナー(全国) 自治体・ナショナルセンターとの協働
国内6ナショナルセンター(国立高度専門医療研究センター)すべてと連携し、3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)や糖尿病、肝炎、感染症をはじめ、妊娠・出産・子育てに関する成育医療、認知症などの長寿医療まで、幅広い世代向けにツールやセミナー等を通じて、健康・医療情報をお届けしています。2022年度は全国でセミナーを190回開催し、23,877名の方にご参加いただきました。また、全国の自治体と協働で、地域が抱えるさまざまな課題を解決するため、健康増進や高齢者見守り、子育て支援など多岐にわたる分野で、県や市町村単位での協定締結を推進し、連携を図っています。2023年3月末現在、42都道府県、市区町村レベルでも334の自治体と「包括連携協定」を締結し、各地域の社会課題解決に貢献しています。
健康増進活動とエコ活動による地域社会への寄附
健康増進アプリQOLismを活用し、社員が取り組む健康増進活動によって貯まるヘルスケアポイントと、ECO Actionを通じて得られるエコポイントの合計数に応じて寄附金額を算定し、地域課題解決に寄与する企業・団体・自治体等へ寄附を行うことで、地域QOL向上に貢献していく取組みを実施してます。また、QOLismアプリ上のヘルスケアポイントを日本赤十字社に寄附する取組みも行っています。
全国市民ランナー応援プロジェクト「Run with You」
エリアを代表するマラソン大会への協賛をはじめ、健康について考える機会や皆と一緒に走ることの楽しさを実感する機会等の提供を通じて、全国の市民ランナーと関係する皆さまの豊かで健康な人生を送ることができるという「well-being」の実現を応援しています。
健康保険組合への医療費適正化支援
「平均寿命と健康寿命のギャップ拡大」といった社会課題の解決に向けて、将来の医療費適正化や効率的な保健事業運営をワンパッケージで支援する健康保険組合向けサービス「Healstep®(ヘルステップ)」を提供しています。Healstep®(ヘルステップ)を導入いただいている健康保険組合は着実に増加しており、新たに事業主向けにも提供を開始しています。今後も健康保険組合や事業主のニーズに寄り添ったサポートの提供に取り組んでいきます。