雇用と人財育成

全世界の社員が生き生きと個性を発揮し活躍できる世界
"World of Opportunities" の実現を通じて、グループ企業価値の向上を目指します。

第一生命グループは、お客さま本位(お客さま第一)を経営の基本理念に据え、“一生涯のパートナー”をミッションに掲げています。これに基づき、私たちは、それぞれの地域で、人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献することを第一に考えています。そして、そのミッションを支える私たちの強みが人財です。全世界の社員一人ひとりが、お客さまに安心で豊かな暮らしをお届けし、グループ事業の発展に貢献する。この弛まぬ努力によって、はじめて、私たちはミッションを実現することができると考えています。近年では、国内グループ各社に加え、海外グループ会社の仲間も共に私たちが前進する道を描く取組みを強化しています。グループ各社の独自性を理解し尊重すると同時に、ベスト・プラクティスや知見を互いに共有し、性別、年齢、経歴、国籍に関係なく、多様な人財が成長し、グループの価値創造に積極的に貢献できる環境づくりを進めています。2021年度には、全世界のグループ各社と議論を重ね、当社グループのEmployee Philosophy Statement「第一生命グループで働く人を考える」を策定しました。国や会社を超えて全世界の社員にチャンスやチャレンジの場を提供し、成長した社員がグループの価値を高める姿、会社と社員が共に成長し、高め合う関係を描いています。

第一生命グループで働く人を考える

当社グループが今中計で掲げるビジョンを達成するには、その担い手であり、最大の資産である「人財」の価値を最大限引き上げることが不可欠です。“World of Opportunities”をスローガンに、人財価値の向上・人的資本の拡充に取り組んでいます。

エンゲージメント向上に向けた取組み

当社グループでは、お客さま第一の実現に向け、組織と社員の結び付きをより高め、「誇りとやりがいをもって、仲間とともに生き生きわくわく活躍できる組織」と「社員のwell-beingを互いに尊重し高める」状態を目指しています。エンゲージメント向上に向けては、全役員と社員との対話の機会の場として2021年からタウンホールミーティングを開始しました。今年度は、一人ひとりの社員の意見を吸い上げる場として、より双方向の対話を重視し、継続実施しています。経営層が社員の声に耳を傾け、また経営層から直接語りかけることを通じて組織と社員の信頼関係を築き、組織改革につなげていきます。2021年度より従来の従業員満足度調査からエンゲージメント調査に切り替え、社員と組織との「結びつき」の強さ、すなわちエンゲージメントを定期的に計測し改善させていくための調査として実施しています。エンゲージメント調査の目標総合スコア達成に向けては、エンゲージメントを構成する項目のうち、特に「理念戦略」、「組織風土」、仕事量やストレス反応を示す「健康」のスコア向上の取組みを進めてまいります。また、昨年度のエンゲージメント調査結果において、「組織風土が変わってきていると感じている社員割合」は全体で40%弱となっており、「生き生きわくわく仕事ができる組織づくり」に向けたさらなる取組みが必要と認識しています。エンゲージメントは、「共に創る」ものであり、社員との対話を通じ、改善に向けて取組みを進めるとともに、部門・職位別などで課題分析の深堀りときめ細かな対応を行ってまいります。

2021年度
エンゲージメント総合スコア* 63
組織風土が変わってきていると感じている社員割合 39.1%
  • *
    エンゲージメントを構成する「職務」「理念戦略」等の項目の平均値

グローバル人財戦略
国・社会を超えたグループ内公募制度

当社グループでは、社員のキャリア実現の支援と、グループ内で強みを発揮できる機会の提供に取り組んでいます。2022年度には、“World of Opportunities”の第一歩として、海外を含む全グループ社員に成長機会を提供するグローバルジョブポスティングプログラムを開始しました。この制度は、グループ社員が国や会社を超えて、自ら手を挙げキャリアの機会を開くことができるプログラムです。制度開始時にはグループ社長より全世界へビデオメッセージを発信し、日本、シンガポール、インドから8つのポジションを公募、各社から積極的な応募がありました。

2022年4月からは実際に、第一生命ホールディングスではプロテクティブ(アメリカ)、TAL(オーストラリア)、DLI ASIA PACIFIC(シンガポール)のメンバーが、DLI ASIA PACIFIC(シンガポール)ではスター・ユニオン・第一ライフ(インド)のメンバーがバーチャルで働き始め、ともに新しい価値の創造に取り組んでいます。グループ各社からは、会社を超えた機会の提供について、より大きなグループの一員であることを感じられ、エンゲージメントにつながっているというポジティブな反応が寄せられています。このように世界で活躍する当社グループ社員が生き生きと活躍できる世界、“World of Opportunities”の実現に向け、グループ各社の人事部門の仲間とともに日々議論を重ね、学び合い、グループの企業価値向上に貢献できる人財力の強化と、人財マネジメントの仕組みづくりに取り組んでいます。

チーム会議の様子 ▲チーム会議の様子

~TOPICS 社員の声~

第一生命ホールディングス
リスク管理統括ユニット
伊藤 大我

Kateさんは、グループ各社との関わりが強いシンガポール地域統括会社に所属していますので、アジアパシフィック域内の規制当局や生命保険市場の動向を本社側に具体的にタイムリーに共有してくれます。そのことによって私たちも知見がより広がり、グループ全体のリスク管理の高度化につながっています。

伊藤 大我

DLI ASIA PACIFIC
内部監査チーム
Kate Low

プロジェクトを通じて日常業務で関わりのなかったメンバーとつながり、本社のグローバルな取組みや課題について理解が深まっていますし、新たな知識や視点を得ることができています。同僚にもぜひこのグローバルジョブポスティングプログラムに参加することを勧めたいと思います。

Kate Low

国内グローバル人財育成

海外事業の利益貢献拡大、グローバルガバナンス体制強化を背景に、グローバルで活躍できる経営リーダー候補の人財育成の必要性がますます高まっています。こうしたニーズを踏まえ、中期経営計画において、将来的な海外派遣を視野にいれた300名の人財(次世代グローバル経営リーダー候補)を育成し、そのうち150名については、将来的に各地域・拠点の経営を担う人財(グローバル経営リーダー候補)として育成することを目指しています。具体的には、若手層を対象に、グローバルビジネス環境で活躍するための基礎能力の開発を目的とした研修を幅広く実施し、グローバル人財の裾野拡大に取り組んでいます。また、中堅・管理職層向けには、海外での職務遂行を想定した、より実践的なコミュニケーション力・マネジメント力向上に向けたプログラムの運営などを実施しています。

新規領域への戦略的人財シフト

4つの体験価値の実現を支える多様な人財を育成するために、2026年度をめどに3,100名程度の人財の戦略的シフトを実施します。CXデザイン力、DX推進力、組織デザイン力、グローバル力を強化し、ビジネスモデル変革の原動力となる人財育成を強化していきます。また、グループ内外を問わず収益力強化につながる領域や新規事業への人員配置を行っていきます。戦略的人財シフトとしてのキャリアローテーションは、人財に対する投資と位置付けています。保険の枠を超え、新たな事業領域に展開していくにあたって、これまでの社内での経験だけでなく、多様な経験、視点が必要となります。キャリアローテーションの仕組みを活用し、一定期間、グループ外企業や自治体などでさまざまな経験を経て成長した社員が再び戻り活躍することで、企業価値の向上につなげていきます。社員がグループ外企業や自治体などで活躍することで、地域・社会の持続性確保にも貢献していきます。社員、会社、グループ外企業や自治体などにとって「三方良し」の取組みとして推進をしていきます。

社外へのキャリアローテーション(ふるさと納税)

2022年4月より、企業版ふるさと納税(人財派遣型)を活用した地方自治体へのキャリアローテーションを開始しました。大阪府阪南市・徳島県へ、それぞれ1名を派遣(2022年7月時点)、スマートウエルネスシティの推進(大阪府阪南市)、地域の魅力発信(徳島県)などの活動に取り組んでいます。

~TOPICS 社員の声~

阪南市役所 シティプロモーション推進課主幹(兼)政策共創室主幹
清水 裕美子

生命保険事業は社会課題の解決につながるものではありますが、もっと近いところで社会課題の解決につながる仕事をしたいと思い、地方自治体での業務に応募をしました。業務内容としてはスマートシティの推進、スマートウエルネスシティの推進、その他の業務です。

清水 裕美子

直近ではデジタル田園都市国家構想推進交付金(地方創生テレワークタイプ)を活用した事業の推進を担っています。社会課題はさまざまな方面に及びます。ピンポイントでアプローチをしたら効果が出るというよりも、多方面からの取組みが相乗的に効果を発揮するという考え方なので、勉強会に参加をして知識を吸収することや、国の方針・市の現状・他自治体事例などを調べて業務で活用するなど、業務遂行に関する一連のことが、これまで以上に自身の視野を広げ、とても勉強になっていると感じると同時に、第一生命での業務とはまた異なるやりがいを感じています。自治体で培った経験を第一生命に戻った時に発揮できたらと思います。

ベンチャー企業への人財育成トレーニー

2022年4月より、株式会社ローンディールを活用したベンチャー企業への人財育成トレーニーを実施しています。若手社員・中堅社員を中心に、DXを推進する中核人財の育成・ベンチャー企業経験を通じた意思決定経験、経営目線の醸成を目指しています。

DX人財育成

お客さまのニーズが多様化する現代において、保険領域にとどまらないお客さま体験価値(=CX)を創出していくためには、人々の暮らしにおいて密接な存在となったデジタルの活用が必要不可欠です。全社員が4つの体験価値の実現を支えるDX人財となるべく、DX人財を3つのスキルベル(①DX活用人財②DX中核人財③DXプロ人財)に分け、それぞれのレベルに応じた人財育成に取り組んでいます。

人材育成

①DX活用人財(=デジタルツールを使いこなせる)の育成については、全所属に設置した「DX推進担当者」を中心に、DXリテラシー向上を推進していきます。②DX中核人財(=デジタル面で組織を牽引できる)および③DXプロ人財(=ビジネスモデル変革を起こせる)の育成にあたっては、専門組織による実践形式の研修、さらに、グループ外企業へのキャリアローテーションなどを通じてスピード感ある人財育成を行っていきます。2022年度の具体的な取組みの一つとして、2021年度に新設したアジャイル型開発をサポートする「アジャイル工房」を拡大し、実務経験を通じた育成を強化していきます。また、DX人財発掘を目的に、DXに関わる組織の社員や若手・次世代リーダー層を中心に2,000名規模の外部アセスメントを実施し、アセスメント結果を踏まえた研修付与や適切な人財配置を通じ、さらなるレベルアップを図っていきます。

Myキャリア制度

自身のキャリアを自律的に考え、自らキャリアを切り拓くための制度として「Myキャリア制度」を導入しています。当社グループ内の職務に加えて、キャリアローテーション(当社グループ外)企業など、保険の枠組みを超えた多様なフィールドで活躍できる公募職務を用意し、社員がやりたいことに進んでチャレンジできる環境を拡充しています。公募職務数・応募者数・合格者数は増加しており、「社員がキャリアを選ぶ時代」を目指しています。また、2021年8月より1年間通じての公募を開始し、公募職務と応募者のマッチングを高めることを目指しています。

My キャリア制度
公募職務数・応募者数・合格者数推移

2019年度 2020年度 2021年度
公募職務数 131 175 222
応募者数 206名 181名 296名
合格者数 71名 73名 93名

多様な働き方の実現
フルリモート勤務の導入

2022年4月より「フルリモート勤務」を導入し、17名の社員が新たな働き方にチャレンジしています。転居を伴わない地域限定型社員のうち、東京や大阪などの本社まで90分以内で通うことが難しい社員が、全国各地から週5日フルリモート勤務で本社業務を担うことが可能となりました。また、育児などで短時間勤務を選択していた社員は、フルリモート勤務によって通勤時間が削減されるため、フルタイムで働く選択肢を持つことができます。居住地や時間に捉われない柔軟な働き方が、多様なキャリア形成を後押ししています。

福岡の自宅から本社業務をする様子 福岡の自宅から本社業務をする様子

社内外副業

2021年4月より「社外副業」を解禁しています。社外でも通用するスキルや専門性、コミュニティ形成を目的としています。セミナー講師など社外副業の内容は幅広く、現在約150名の社員がチャレンジしています。また、2020年12月より「社内副業」も開始しています。プロジェクトごとに公募し、さまざまな所属から参加者が集まることで、所属の垣根を超えたコラボレーションやイノベーション創出が可能です。参加者も他所属のプロジェクトに参加することで、自身のキャリアを考えるきっかけとなります。

セミナー講師の社外副業をする様子 セミナー講師の社外副業をする様子
2020年度 2021年度 2022年度
社内副業 15名 10名 39名
社外副業 - 106件 146件

※2022.7時点

ヘルス&ウェルビーイング(健康と幸せ)

従業員の健康増進に向けた取組み

【グループ健康宣言・健康経営推進体制】

第一生命グループでは、2011年に「第一生命グループ健康宣言"いきいきダイイチ110"」を宣言し、2013年「第一生命グループ企業行動原則」に「健康増進」を追記するとともに、「健康増進基本方針」を、取締役会の承認を得て制定しました。本方針はすべての従業員に適用されます。さらにチーフサステナビリティオフィサーが委員長を務める「グループサステナビリティ推進委員会」にて健康経営の取組を報告し、PDCAを回しています。

グループ健康宣言・健康経営推進体制

【基本となる3つの柱】

第一生命グループでは、「社員一人ひとりが健康で誇りとやりがいをもって、仲間とともにイキイキわくわく活躍できる」状態を目指し、「重症化防止」「疾病予防」「メンタルヘルス」の3つを柱に取組みを推進しています。

ヘルスプロモーションの3つの柱
  • (注)
    1 for 1 とは第一生命版「1 on 1 ミーティング」の名称

【健康増進プロセス指標(重点取組項目と目標値)】

2017 2018 2019 2020 2021 目標
(2023年)
運動習慣者割合(※1) 男性 40.1% 45.2% 45.8% 53.6% 53.1% 45.0%
女性 27.6% 31.8% 32.4% 38.0% 35.9% 33.0%
適正体重維持者割合(※2) 男性 70.4% 69.5% 69.2% 67.8% 68.5% 72.0%
女性 76.1% 75.3% 74.5% 73.9% 74.4% 81.0%
喫煙率 男性 28.3% 28.4% 28.2% 26.2% 25.7% 23.0%
女性 25.0% 24.6% 23.6% 22.9% 22.0% 20.0%
健康診断(一次) - 99.8% 99.8% 99.8% 99.6% 99.8% 100.0%
健康診断(二次) - 88.1% 88.5% 86.4% 81.3% 85.7% 100.0%
  • ※1.
    30分・週2回以上の運動を1ヶ月以上継続している社員の割合
  • ※2.
    BMI25未満の社員の割合

【その他の指標】

2018 2019 2020 2021
健康診断 有所見率(※1) 男性 58.7% 60.7% 63.8% 62.3%
女性 55.8% 57.0% 58.3% 58.4%
事後措置面接実施率(※2) 99.5% 90.5% 100.0% 100.0%
  • ※1:
    健康診断の結果で「受診推奨」「要受診・精検」「治療中」と判定された人数/受診者総数(法定項目のみ)
  • ※2:
    産業医面談もしくは保健指導の実施人数/「要受診・精検」かつ当社産業医の指定基準に該当した人数

【具体的な取組み】

■運動・食生活等に対する取組み
2016年度から、社員一人ひとりの健康増進取組みに対してインセンティブを付与する「ヘルスケアポイント制度」を導入しており、2021年秋にグループ会社が開発した新しい健康増進アプリ「QOLism」に移行し、食事記録、腹囲計測、運動といった様々なコンテンツにより社員の健康増進を後押しています。

運動・食生活等に対する取組み 社会貢献を兼ねたウォーキング活動の一例

■禁煙支援
毎月2のつく日(2日・12日・22日)を「禁煙の日」と制定し、禁煙の重要性を呼びかけるポスターの掲示など、禁煙の啓発活動を積極的に行っています。また、アプリを使った禁煙支援プログラムの提供や禁煙外来費用の自己負担額を全額補助するなど、禁煙を希望する社員への支援を進めています。

■研修・セミナー
健康増進施策の土台となるヘルスリテラシー向上を目的に健康セミナーや階層別研修、セルフケア研修、メンタルヘルスラインケア研修等の研修を実施しております。

研修・セミナー

■がん検診
各種がん検診の受診率向上にも力を入れており、検診費用の全額健保補助をおこなうとともに、特に乳がん検診はマンモバスを全国約320ヶ所に走らせることにより全国平均の倍近い約50%の受診率となっています。

がん検診 全国を走るマンモバス

■安全衛生活動
労働安全衛生法をはじめとする関連法令を遵守した安全衛生活動を実施しています。具体的には、衛生管理者を中心とした職場巡視を実施することにより各事業所の安全衛生上の改善を図るとともに、産業医、衛生管理者、労働者の代表から選出された委員で構成される衛生委員会において、各事業所の健康課題の解決、労災等防止対策等に向けて審議しています。
また、社員が業務上災害および通勤途上災害に遭遇した場合、的確かつ詳細に事故状況・本人の治療状況等を把握するともに、事故内容に即した適切な処置を指示し、担当部門あてに速やかに報告することを社規に定めております。会社は、報告内容を踏まえて、被災者本人にヒアリングを実施し、労基署あて所定の報告を行っています。

これらの取組みが評価され、2015年に経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に、2017年~2022年に「健康経営優良法人2022(大規模法人(ホワイト500)」に6年連続で選定されました。

健康経営優良法人ロゴ

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