イノベーション推進

産業構造の変化やライフスタイルの多様化、不確実性の広がりのなか、人々のwell-beingを応援し、価値創造に貢献すべく、グループ一丸でイノベーション創出に挑みます。

執行役員 江口 武彦 執行役員 江口 武彦 Takehiko Eguchi

将来の保険産業はどうあるべきか。私が昨年春に他社から転身した時、すでに当社では、そこに向けた一つの答えとなる大きな一歩を踏み出そうとしていました。2021年12月に稼働した「ミラシル」の開発が佳境を迎えるところだったのです。
人々のwell-being、言い換えれば、「幸せ」「生きがい」を応援し、新たな体験価値に貢献する産業になっていくべきだとの考えのもと、人を中心に考えるデザイン思考に基づき、CXとEXを劇的に変えていくことを課題の一つとして捉え、CXデザインシステム「ミラシル」は開発されました。今後もバージョンアップを行い、さらにお客さまの体験価値を高めてまいります。

そして、人々のwell-beingに貢献するため、イノベーションチームが抱えるもう一つの課題は、産業構造の変化や個人のライフスタイルの多様化、さらには世界全体に不確実性が広がるなか、従来の保険事業のウィングを広げ、新しい価値を提供していくことです。
こうした課題に取り組むにあたり、当然ながら、想像力を総動員して先を読み、戦略を組み立てていく努力を愚直に続けながらも、同時に、アジャイルにかつしなやかに対応していくことがさらに必要になってきます。そうした緩急剛柔なアプローチが求められてきているのです。
私は、海外グループも交えた6万名にも及ぶ一人ひとりの潜在力をさらに開放することで、その創造力の大きな源泉にしていきたいと考えています。具体的な取組みとして、数年をかけて環境づくりから準備を進め、昨年度、グローバル協創のための独創的なアイデアに資金を提供するイノベーションファンドを立ち上げました。今年度は、海外グループ会社からも人財を受け入れ、ファンドの企画と運用、さらにはイノベーション文化醸成などを担ってもらうなど、資金と人財の両面から活動を盛り上げてまいります。
また、アジャイルで、かつしなやかなイノベーション体制を得るために、昨年度、アジャイル開発の具体的手法を導入しましたが、今年度はそこで出た課題を踏まえた改善を図りながら、その活動の幅を広げてまいります。そして将来的には“開発”の枠を超えてアジャイルな“仕事の仕方”や“組織のあり方”について、会社全体への波及につなげていくことを念頭に活動を行っていきたいと考えています。
これらの取組みはとても大きなチャレンジでありますが、人々のwell-beingを応援し、価値創造に貢献できるようグループ一丸となってイノベーションの創出に挑み続けてまいります。

戦略課題と態勢整備

イノベーションの創出に向けたグローバルネットワーク

グローバルネットワーク

不確実な時代において、世界の潮流を捉えるために、強固なネットワークを構築し、確かな情報を収集する能力を強化していくことがますます重要になってきています。
東京のイノベーション専担組織に加え、シリコンバレーやロンドンに専用のLab機能を設置するとともに、アジアではシンガポールと北京、上海にも拠点を設置しています。
これらをイノベーション創出の情報収集拠点と位置付け、よりグローバルかつタイムリーに先端テクノロジーの動向把握やスタートアップの発掘、協業に向けて取り組んでいます。

イノベーションファンドの運営

イノベーションファンドの運営

顧客体験の向上およびグループシナジーの実現には、中長期視点に立ったグループ横断的なイノベーション能力の蓄積や複数地域に展開可能なソリューションの探索が必要です。
これらグループ全体に裨益する取組みにつき、海外も含めたグループ各社の諸制約を超えてグローバルベースで実証実験などを機動的に支援するイノベーションファンドを2021年度より運営しています。
1年目には2回のラウンドが実施され、8カ国より29点のアイデアが集まりました。そのうち16点が一次選考を通過し、130名以上の社内外関係者が参加するピッチイベントで披露され、最終的には8点のアイデアが資金支援を受けました。
本取組みによって、複数の大胆かつ破壊的なアイデアが検証できるようになり、グループにおけるイノベーションやシナジーの実現に向けて大きく前進しました。

アジャイル工房によるお客さま価値の追求

急速に変化する現代社会において、企業はお客さまの課題やニーズを理解し、その課題を解消する価値(商品やサービス)を早期に提供することが求められます。また、お客さまからのフィードバックをもとに、それらを改善し続けることも重要です。
より一層お客さまの視点に立ち、お客さまの声を反映した価値を提供し続けるために、第一生命ではアジャイル工房を創設し、CX起点での商品・サービス開発を開始しました。お客さまにとっての価値を徹底的に探究するプロダクトデザインから、その価値提供を実現するためのシステム開発に至るまで、一貫してCX起点、CX視点での取組みを遂行しています。
アジャイル工房ではCXを重視するカルチャーや風土醸成にも取り組んでいます。お客さまの声をもとにした改善活動を通し、次世代のプロダクト開発を担うDX人財の育成を目指しています。

アジャイル工房の目指す姿

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