保険普及等による生活の安定

社会課題と目指す姿

少子化による人口減少や超高齢化社会の到来を背景に、将来の社会保障制度に対する不安は高まっています。さらに、新型コロナウイルス感染拡大は人々の行動変容と価値観の多様化を一層加速させ、雇用環境やライフスタイルにも大きな影響を与えました。そのようななか、経済的な格差をはじめとしたさまざまな社会格差や価値観の分断は人々のwell-being(幸せ)を阻害する要因になりかねず、社会課題となっています。
また、コロナ禍によって人々の健康意識やリスク認識は高まった一方で、日本の生産年齢人口においてミレニアル世代・Z世代が台頭し世代シフトが進むなか、若年世代における「保険離れ」の傾向は高まっています。次世代を担う若年層が将来の不安を抱えながらも具体的な未来をイメージできずにリスクへの備えを確保できなかった場合、将来世代において「プロテクションギャップ」が拡大し、生活不安を高めることにつながってしまいます。
私たちは不確実な時代だからこそ、お客さま一人ひとりの夢や将来のありたい姿に基づいたライフデザインを協創し、経済的保障による「安心」のお届けを通じて、社会保障制度を補完する役割を担い、将来世代も含めたすべての人々の生活基盤の安定化に貢献していきます。

当期の取組みと成果

当社グループでは、価値観・ライフスタイルの変化によって多様化するお客さまニーズにお応えできるよう、第一生命、ネオファースト生命、第一スマート少額短期保険の国内3社で「保障」をお届けしています。
第一生命では、全国約3.5万名の生涯設計デザイナーがお客さま一人ひとりに寄り添ったコンサルティングと、自分に必要な保障だけを選べる商品「ジャスト」をお届けしてきました。2022年7月には、社会保障制度に連動したライフプランシミュレーション「生涯設計プラン」をリニューアルし、あわせて商品ラインアップも刷新しました。これまで以上にお客さま一人ひとりに寄り添ったコンサルティングを通じて社会保障制度の補完的役割を果たしていくとともに、多様化するお客さまニーズにきめ細やかにお応えしていきます。
また、団体保障分野でも、企業福利厚生制度として複数の保険商品をパッケージとして導入し、そのなかから必要な保障を従業員一人ひとりが自身で選んで加入できる生命保険業界初の仕組みを有した「あんしんマイパッケージ」のご案内を開始し、多様化する企業・従業員のニーズに応え、福利厚生制度の充実に貢献してきました。
ネオファースト生命では、お客さまの健康増進意識につながる保険商品やサービスを拡充しており、主に乗合代理店を通じて比較検討を好まれるお客さまに商品・サービスをお届けしています。2022年7月には、健診結果改善をサポートするアプリ「Neoコーチ」の提供を開始し、また9月には、多様化するがん治療に対応した保障を選択できるとともに、喫煙状況によって保険料を割り引く「ネオdeがんちりょう」を発売するなど、健康増進や予防につながる新たな体験価値によって、お客さまのWellnessの実現に向けたサポートに取り組みました。また、すべてのお手続きがスマホなどで完結するデジタル完結型保険を取り扱う第一スマート少額短期保険では、商品ラインアップの拡充に加え、新たに電子マネーによる保険金支払サービスを開始するなど、新たな保険体験価値の創出に挑戦してきました。こうした国内各社によるマルチブランド体制で、多様なお客さまニーズにそれぞれのチャネルで商品・サービスをお届けしていきます。

ネオdeがんちりょう

中長期に向けた取組み

私たちが生きる社会は、新型コロナウイルス感染拡大を経て、デジタル技術やオンラインコミュニケーションが急速に進んだことにより、人々の行動変容や価値観の変化が加速し、ニューノーマルな世界に変化しています。オンラインで必要な情報をいつでも手にすることが可能となった社会において、人々の価値観・ニーズは多様化・細分化されていきますが、当社グループにおいても市場全体を包括的に捉えた商品・サービスの提供ではなく、お客さま一人ひとりの価値観に基づいて、お客さまから共感される、パーソナライズされた商品・サービスに進化していくことが必要だと考えています。第一生命では、このような変化に適切に対応すべく、生涯設計デザイナーチャネルにおいて、コンサルティングの向上や、採用、給与・評価制度、教育フォロー体制の大幅な見直しなどによる抜本的な変革に取り組んでいます。また、お金や健康・ライフスタイルに関わるさまざまな情報と当社グループのサービスをデジタル空間のなかでお届けする情報サイト「ミラシル」の運営や、お客さまの各種お手続きのデジタル化など、オンラインサービスのレベルアップを推進していますが、デジタル接点による利点と、フェイストゥフェイスによるリアルチャネルの強みを融合した当社グループ版OMO(Online Merges with Offline)の実現により、お客さまにとって最適な商品・サービス・情報を、最適なタイミング・チャネルでお届けできるよう取り組んでいます。これからもお客さま一人ひとりに寄り添い、ライフデザインの協創による現役世代の確かな保障、超高齢化社会におけるシニア世代の課題解決、未来を担う次世代への支援など、「一生涯のパートナー」としてすべての人々のwell-beingに貢献していきます。  

生涯設計プラン

マイクロインシュアランスの取組み

当社グループでは、ベトナム、インド、インドネシアなどに拠点を置く海外グループ会社において、低所得者層を含む幅広い層への保険普及を目指して、少額で加入しやすいマイクロインシュアランスの提供に取り組んでいます。

商品・サービス 顧客数(2022年度時点)
第一生命ベトナム 第一生命ベトナムでは、ベトナム全土にわたってネットワークを持つベトナム郵便を通じてマイクロインシュアランスの販売を行っており、低所得層に加え小規模な企業、農村部の居住者等を対象に生命保険の普及を促進しています。 53,380
スター・ユニオン・第一ライフ スター・ユニオン・第一ライフでは、インド政府が推進する低コストで生命保険に加入できる社会保障スキームにもとづく小口団体定期保険商品「SUD LIFE Pradhan Mantri Jeevan Jyoti Beema Yojana」を、合弁パートナー銀行であるBank of India、Union Bank of Indiaの支店で販売しており、インド全土での保険普及に貢献しています。 約13万
オーシャンライフ オーシャンライフでは、保険関係事務局(OIC)の方針に則り2022年には金融へのアクセスが困難な人々向けに6つ(※うち2つは期間限定)の個人保険や団体保険を販売しました。
※タイの旧正月「ソンクラーン祭り」期間のCSRキャンペーンとしての販売
3,480
取組内容 定量的社会インパクト(KPI)
プロテクティブ プロテクティブは、センター州立大学の学生を対象とした金融リテラシー向上のためのパートナーシップ創設に資金を支援しました。プログラム内容には、クレジット・マネージメント、学生ローン・マネジメント、個人マネー・マネジメント、投資家教育やホーム・オーナーシップが含まれています。 年間500~1,000人の生徒の金融リテラシー向上と生徒の家族・地域社会への普及
第一生命ベトナム 第一生命ベトナムは、ベトナムの低所得者層を支援する「For a better life」基金を通じて、CSR活動に貢献しています。同基金への拠出に加え、第一生命ベトナムが主催するオンラインウォーキング/ジョギングおよびスポーツアクティビティプログラム「Cung Duong Yeu Thuong」への参加を促し、参加者が1キロ完走するごとに1,000ドンを同基金に寄付しています。 基金のCSR活動に7,650,000,000ドンを拠出
(2022年度)
第一生命 第一生命は、金融リテラシー向上のための教材として「ライフサイクルゲーム」を開発しました。すごろく形式でライフイベントや病気等のリスク、振り込め詐欺等の消費者被害事例を疑似体験できる内容となっています。中学・高校・大学生や教師、企業の若手社員を対象に社員によりライフサイクルゲームを使用した出張授業や研修の実施や青少年の金融知識向上のためゲームの無料配布を行っています。 ライフサイクルゲームの無料配布数:10,471
出張授業回数:1,076回
研修参加者数:34,972人

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