私たちは、当社グループの重要課題(マテリアリティ)に照らし、これらに影響を及ぼし得る「機会」と「リスク」を的確に捉えた戦略を採ることが事業の持続可能性確保につながると考えています。特に下記に示すものは、高い蓋然性を持つだけでなく影響規模がグローバルかつ今後長期にわたること等に鑑み、極めて重要なものであると認識しています。
今後予想される社会・市場の動向
重要なキーファクト | お客さまや社会にもたらされるもの | 第一生命グループが考える「機会」と「リスク」 | |
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2030年 | デジタルネイティブが社会の中核を担う頃には、リアルとバーチャルの垣根のないコミュニケーションが一般的になり、よりタイムリーで利便性の高い顧客接点を有するビジネスが業種を問わず支持されるでしょう。また、彼らの持つソーシャルグッドな価値観により、社会的な意義や倫理観といった側面からビジネスがよりシビアに評価されることになるでしょう。 | 【機会】 ■利便性の高いコミュニケーション手段実現による、顧客満足度向上の実現 ■多様な顧客接点からの新規顧客の確保 【リスク】 ■新たなコミュニケーション嗜好への対応不足による顧客からの支持・満足度の低下 ■非保険領域を含む多様な顧客接点を得られないことによる市場プレゼンスの低下 |
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デジタルネイティブの世界人口に占める割合(※1) 73.0% |
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2030年には、ミレニアルやZ世代といった「デジタルネイティブ」が世界人口の約73%を占めるなど、消費行動の中心的役割を担うとされています。 | |||
~2033年 | 今後10年、アジア新興諸国を中心に保険市場の高成長が期待されています。各国の経済成長に伴い、人々は所得の増加やライフスタイルの変化による新たな保障・蓄財ニーズを求めていくでしょう。また技術革新により、国や地域によっては健康・医療や金融サービスといった保険の周辺ビジネスでも、急速な事業の拡大や進化が期待されます。 | 【機会】 ■アジアパシフィック地域などへの機動的で有望な投資の実行による今後の成長機会の確保 ■成長期待の高い、同地域での事業基盤の拡大・強化によるグループシナジーの強化 【リスク】 ■資金面・体制面などの理由から適切な投資ができないことによる成長機会の逸失 ■地域・市場特有の事業リスクを見誤ることによる当該地域での事業縮小・撤退 |
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今後10年間のアジア 8.1% |
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アジアの生保市場は、各国の経済成長やパンデミック後のリスク認識、持続可能性への関心の高まりなどにより、2033年までの10年では8.1%の高い成長率を維持するとみられています。 ※日本と中国を除く |
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2023年 | 当社グループのグローバル化の進展に伴い、より多くの、そして多彩で専門性のあるタレントがグループに必要とされるようになっています。日本国内も例外ではなく、多様な顧客のニーズに応え続けるために、ジェンダーや国籍は当然のこと、採用経路や働き方の多様性が新たな雇用とwell-beingを創出できる力を生み出す魅力的な企業を目指します。 | 【機会】 ■新規領域を含むさまざまなノウハウ獲得・蓄積、人的多様性による有益なケミストリの発揮 ■グローバルなマネジメント力の向上などによる経営基盤の強化 【リスク】 ■必要なタレント・スキルセットが不足することによる事業の拡大や深化の停滞・頓挫 ■グループガバナンス・グローバルマネジメント力の低下による競争力低下 |
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日本のグローバルジェンダーギャップ指数の順位(※3) 125位 |
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日本のジェンダー平等は世界のなかでも大きく後れを取っており、当社においても新たな価値観への対応やイノベーション創出に向け、ジェンダー格差の解消に限らず多様な人財・タレントの育成・確保をより一層進めていくことが必要です。 | |||
2050年 | 気候変動対応や人権・多様性の尊重等、全世界のサステナビリティにつながる社会課題への対応は、今以上に不可欠かつ広範なものとなっているでしょう。消費・購買行動における経済合理性とエシカルな志向はトレードオフではなく、両立されるべきとの価値観が今よりも市民権を得ると予想され、これらを踏まえた新たなビジネスの勃興もあり得ます。またサステナビリティにかかる企業の責任はより大きくなり、コミットメントを果たしているか否かが企業価値を大きく左右するでしょう。 | 【機会】 ■ESG課題の解決等に資する投融資機会の増加による収益の確保・増大 ■サステナビリティ確保へのイニシアティブの発揮を通じたプレゼンスの確保、事業基盤の強化 【リスク】 ■サステナビリティ対応が不十分な企業の価値低下による保有資産の毀損 ■地球温暖化回避の失敗やそれに伴う災害の増大などによる保険金・給付金支払額の増加 |
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温室効果ガスの排出目標 Net 0 |
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2050年の温室効果ガス排出ゼロ目標への対応をはじめとしたサステナビリティへの取組みは、全世界共通のコミットメントであり、企業の責任も年々高まっています。 |
- ※1
国連予測
- ※2
Allianz Global Insurance Report 2023
- ※3
WEF, Global Gender Gap Report 2023