当社グループでは、持続可能な社会の実現に向け、気候変動への対応を重要な経営課題として認識しており、金融機関としてネットゼロを推進するグローバル・イニシアティブであるGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)に参画し、その活動に貢献するべく、グループを挙げて積極的に取り組んでいます。世界の金融機関と知見を共有し、協働していくことで、気候変動課題の解決に寄与し、次世代への責任を果たします。
GFANZとは?

GFANZは、ネットゼロを主導する金融の業態別イニシアティブを統合している組織です。世界45カ国から450社以上の金融機関が加盟しており、合計資産額は130兆ドル超となっています。(2021年11月時点)
GFANZは、「世界のネットゼロ移行を加速させる」という目的を実現していくため、金融業界横断的な移行計画の策定や効果的な実施の支援、新興国の脱炭素化に向けた資金供給、政策提言といった領域で活動しています。これらの活動を効果的に行っていくため、作業部会を設置して取組みを進めています。
第一生命はGFANZをリードするプリンシパル・グループの一員となっている他、プリンシパル・グループを補佐するステアリング・グループや、一部の作業部会にも参加しており、GFANZの取組みを積極的に推進しています。
GFANZへの想い

調査グループ
太田 浩
2022年3月に、社長が参加するGFANZのトップ会合をサポートする部会のメンバーになりました。日本からトップ会合に参加しているのは唯一当社のみです。気候変動対応は、もはや「意識高い系」の会社だけが取り組むものではありません。ネットゼロという大きな目標に「いいね!」を表明し、ともに取り組んでいただける企業を増やしていかねばなりません。金融機関としてどう支援させて頂けばいいのか、政府部門とどう協力していけば良いのか。GFANZの議論では参加者の熱気をひしひしと感じています。とにかく議論のスピードが速く、あっという間に一旦の結論が出て次の議題に進むのがGFANZの特徴で、意見調整しつつ慎重に検討を進める日本流のスタイルに慣れた身からすると戸惑うこともあります。気候変動対応は待ったなしの側面もあるので確かにスピード感は大事なのですが、同時に異なる政府や企業がみな納得感を持って対応を進められるよう、丁寧な議論に立った提言をまとめていくことも大事なのでそういう観点からコメントすることもあります。両者のバランスに悩みつつも、いろんな国・企業の人々とのやり取りは楽しくもあり、距離を超えたつながりを感じながら仕事をしています。

(ヨーロッパ)保険調査チーム
芳井 純一
私はGFANZの2つの作業部会メンバーとして、2022年3月から活動しています。いずれの作業部会も金融機関へのガイダンス提供を目的としています。作業部会で議論した結果はレポートとして公表され、今後グローバル・スタンダードとなっていく可能性があります。そのため日本やアジアの視点を適切に反映することが私のミッションの一つで、責任を痛感しています。
作業部会には、GFANZに属する金融機関から多様な経歴の実務者が参加しています。私は以前、第一生命の企画部門で資本政策を担当しており、サステナビリティ戦略と財務資本戦略の融合に関心があります。GFANZの活動を通じ、気候変動対応を根幹に据えた新たな金融機関経営を確立・発展させることができれば、ネットゼロをコミットする金融機関がさらに増える好循環が期待できると思います。
GFANZに属する金融機関が目指すネットゼロと、現実的な見通しの間には乖離があるのが現状です。この乖離を埋めるため、冷静に今やるべきことを見極め、野心的な取組みを迅速に進める必要があります。GFANZが核となり金融機関の取組みをさらに加速すべく取り組んでいきます。