環境貢献活動(生物多様性に関する取組み等)

環境保護・生物多様性の保全に資する第一生命グループの社会貢献活動

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムへの参画

TNFDは、2019年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年6月に正式に発足した、自然関連リスクに関する情報開示フレームワークの構築を目指す国際イニシアティブです。
第一生命ホールディングスはTNFDの理念に賛同し、2022年10月に、その活動をサポートするTNFDフォーラムへ参画しました。

TOPICS

自然関連リスクの分析

当社グループでは、「グループ環境取組方針」※1において、自然資本・生物多様性の保全を企業の社会的責任と捉える旨を明記しています。そのような考えのもと、当社は、自然関連リスクを体系的に把握・開示するフレームワークの構築を目指すTNFD※2の理念に賛同し、2022年10月に「TNFDフォーラム」へ参画しました。自然に与える影響と依存を把握するためのアプローチとして、TNFDが提案するLEAPアプローチ※3に則り、まずは国内中核子会社である第一生命の株式ポートフォリオについて自然関連のリスク・機会を分析しました。分析においてはまず、自然リスク評価ツールENCORE※4を使用して、リスクの大きな「生活必需品」「素材」「公益事業」の3セクターを分析対象として選定したうえで、各セクターにおける重要な自然関連テーマを抽出しました。さらにそれらテーマに関する投資先のバリューチェーン上のリスク事例を調査し、事業に与えうる影響の大きさを評価しました。結果として、投資先の事業に影響を与えうる自然関連リスクのなかでも、「森林」、「水」、「土地利用」、「生態系」については過去に紛争事例が確認されたこともあり、より注視が必要と特定しました。

第一生命の投資額と自然関連リスク、対象3セクターのヒートマップ
対象3セクター(生活必需品/素材/公益事業)における主なリスク・機会の例
TNFDのリスク分類 想定される事象 対象3セクターにおける事業リスクの例 対象3セクターにおける事業機会の例
移行リスク 原材料価格の上昇

【共通】各種規制や批判への対応コストの増大

【生活必需品/素材】認証原材料の需要増加に伴う調達コスト高騰

【生活必需品/素材】認証原材料を使うことによる商品の付加価値向上及び利益増大
物理的リスク 生物資源の減少 【生活必需品/素材】土地開発の規制強化や天然原材料の過剰採取に伴う供給の不安定化と価格高騰 【生活必需品/素材】代替資源への切り替えによる長期安定的・持続的な供給の実現
システミック・リスク 生態系の崩壊による原材料の不作 【生活必需品/素材】原産地の生態系において重要な役割を担う特定の種(キーストーン種)の絶滅や農薬等による汚染などの複合的な要因により、原材料の生産に必要な生態系機能が失われ、調達が困難になる 【共通】自然を活用した解決策(Nature-based Solutions)の展開による新たな価値観や市場の創出

上記分析は、LEAPアプローチに沿った初期的・試行的な分析であり、今後に向けた発展余地が大いにあるものと認識しています。しかしながら、今回の分析を通じて得た、投融資先の事業における自然関連リスク・機会の知見は、投融資先とのエンゲージメント取組みの質的向上に資するものであり、将来的には投融資ポートフォリオのレジリエンス強化につながるものと考えています。今後も、このような自然関連リスクの分析を投融資先とのエンゲージメントや投融資先の分析等に活用しながら、ネイチャーポジティブへの貢献に取り組んでまいります。

  • ※1
  • ※2
    Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(自然関連財務情報開示タスクフォース)
  • ※3
    LEAP:企業や金融機関が社内で自然関連リスクと機会を評価できるようにするためのアプローチ<Locate(自然との接点を発見)、Evaluate(依存関係と影響を診断)、Assess(リスクと機会を評価)、Prepare(リスクと機会に対応する準備を行い、投資家に報告)>
  • ※4
    自然資本分野の国際金融業界団体であるNCFA(Natural Capital Finance Alliance)などが開発した自然関連リスク分析ツール

「都市の緑3表彰」の特別協賛

グループ中核会社の第一生命では、緑豊かな都市環境やコミュニティづくりを通して地域の皆さまのQOL(Quality of Life)向上に貢献したいと考え、1990年より、「都市の緑3表彰」(緑の環境プラン大賞、緑の都市賞、屋上・壁面緑化技術コンクール)を支援しています。本賞は、国連が提唱しているSDGsの実現につながるものであり、人と自然が共生する街づくりだけでなく、植樹による気候変動への貢献や生物多様性の保全にも寄与しています。

「第一生命の森」での植林活動

グループ中核会社の第一生命では、森林保全団体more treesの協力のもと、2022年6月11日に北海道足寄町の皆さんと行った植樹イベントを皮切りに、「第一生命の森」づくりを本格スタート。植樹に先立って「協働宣言式」を行い、第一生命、足寄町、more treesの3者で、地球の未来のために協力して「第一生命の森」づくりに取り組んでいくことを宣言しました。
足寄町の小中学生やそのご家族を中心に約70名が参加したイベントでは、ミズナラの苗木を1haほど植樹。参加者からは、「苗木が大きく育ち、自然豊かな森になるのが楽しみ(小学生)」「子供たちや地球の未来のために、できることはすべてやりたい(40代男性)」といった声が聞かれました。イベント後には、北海道産の木材を使用した木工ワークショップ(スプーンづくり)が開催され、参加者間で交流が深められました。
第一生命は、「第一生命の森」づくりと併せて、足寄町を含む北海道内4町の森林から生み出されたCO2オフセット・クレジットの購入も行い、森林保全、さらには生物多様性の保全も進めていきます。

「dl.café」でのプラスチックごみ削減取組

第一生命チャレンジドが運営する第一生命本社内にあるカフェ「dl.café」では、近年世界的な問題となっているプラスチックごみの削減に向けて、2019年6月に紙製ストローを導入しました。お客さまアンケートでの意見等をもとに改善を検討し、現在は、生分解性ストロー、紙製カップ、バイオマスレジ袋を利用しています。
今後も、地球環境保護や循環型社会の構築を企業の社会的な責任と捉え、グループ一丸となって環境保護・保全と環境負荷低減に取り組んでいきます。

自然資本の持続可能性の確保に向けた投融資の推進

グループ中核会社の第一生命では、水資源の確保をはじめとする、社会課題の解決に資する資産への投融資を通じて、社会へのポジティブ・インパクトの創出に取り組んでいます。

投資テーマ 主なESGテーマ型投資事例
6.安全な水とトイレを世界中に

安全な水・衛生

12.つくる責任つかう責任

持続可能な消費・生産

14.海の豊かさを守ろう

海洋資源の保全

15.陸の豊かさも守ろう

陸上生態系の保全

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