基本的な考え方
第一生命グループが追求する「将来にわたるすべての人々の幸せ」は、100年後を見据えた持続的社会が存在してこそ実現するものです。私たちは、社会の持続性確保を事業運営の根幹と位置付け、それに向けた重要課題(※1)の解決にこれまで以上に積極的に取り組んでいくこととしています。
とりわけ、気候変動への対応は世界的な重要課題の一つです。人々の生活基盤である地球環境のサステナビリティ確保に向けて、当社グループは事業会社として、そして機関投資家として、カーボンニュートラルを実現するための目標を掲げ、事業を通じた気候変動への取組みを継続的に強化していきます。また、ネットゼロを掲げる金融機関の世界最大の連合体であるGFANZ(※2)などの国内外イニシアティブへ積極的に参画し、意見発信やグローバルなルールメイキングへの関与・貢献も積極化していきます。
当社グループのビジョンに込めた想い(※3)の実現に向けて、これまで以上に、機関投資家・事業会社としてリーダーシップを発揮し、情報開示を含め、世のなかの範となる取組みを推進していくことで、脱炭素社会、ひいては持続的な社会の実現に貢献していきます。
- ※1
当社グループの重要課題については、統合報告書P29「第一生命グループの重要課題(マテリアリティ)」をご参照ください
(リンク:https://www.dai-ichi-life-hd.com/investor/library/annual_report/2023/pdf/index_001.pdf) - ※2
Glasgow Financial Alliance for Net Zero。同イニシアティブの詳細や当社グループの取組みは統合報告書P71をご参照ください
(リンク:https://www.dai-ichi-life-hd.com/investor/library/annual_report/2023/pdf/index_001.pdf) - ※3
当社グループのビジョン:"Protect and improve the well-being of all"
- ※4
スコープ1:当社自らの直接排出、スコープ2:他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出、スコープ3:スコープ1・2以外の間接排出(=第一生命の活動に関連する他社の排出)。なお、第一生命の「スコープ3(カテゴリ15以外)」は、カテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ3(スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー活動)、カテゴリ4(輸送、配送(上流))、カテゴリ5(事業から出る廃棄物)、カテゴリ6(出張)、カテゴリ7(雇用者の通勤)、カテゴリ12(販売した製品の廃棄)を対象として集計
- ※5
投融資ポートフォリオの温室効果ガス(GHG)排出量(スコープ3カテゴリ15)
- ※6
2020年比(上場株式・社債・不動産ポートフォリオ)
- ※7
2020年比(上場株式・社債・不動産・融資ポートフォリオ)
- ※8
2020年度比、保有資産1単位当たりのGHG排出量(インテンシティ)ベース
- ※9
2019年度比
- ※10
The United Nations-convened Net-Zero Asset Owner Alliance。2050年までのファイナンスド・エミッション・ネットゼロを目指す機関投資家団体
- ※11
Chief Sustainability Officer
ネットゼロ移行計画
金融機関として、実体経済のネットゼロ移行促進に向けた気候変動対応をより統合的に推進するため、2023年8月に「ネットゼロ移行計画」を具体化し開示しました。本計画は、GFANZにおける移行計画のガイダンスなどを参考としています。本計画は、国内中核子会社の第一生命を主体に策定しており、CSuOが統括、経営企画ユニットが管理し、第一生命の各担当部署が各取組みを推進します。また、グループサステナビリティ推進委員会にて進捗管理や議論を行い、その内容を経営会議へ報告のうえ、取締役会の監督を受けます。本計画には、ネットゼロ実現に向けた優先課題を明記しています。また、計画内容は今後継続的にアップデートしていく予定です。
ガバナンス/リスク管理
経営会議・取締役会の役割
当社グループは、取締役会の監督のもと、経営会議が主導して策定した気候変動に関わる事業計画に基づき、グループサステナビリティ推進委員会やグループERM委員会等を通じて関連取組みを進めています。取組状況(グループ目標をはじめとする取組みの方向性、リスクへの対応状況など)は経営会議・取締役会に対して定期的に報告され、取締役会の監督を受けることで気候変動取組みをさらに強化する体制を構築しています。
ガバナンス体制強化の取組み
2021年4月には「グループサステナビリティ推進委員会」を設置し、気候変動対応をはじめとするサステナビリティに関わる方針・戦略の立案や取組遂行状況のモニタリングなどを実施しています。2023年4月からは、Chief Sustainability Officerを新設するとともに、経営企画ユニットサステナビリティ推進室にサステナビリティ推進機能を一層集約し、脱炭素社会への貢献に向けた体制を強化しています。また、当社役員報酬の業績連動型株式報酬(2022年7月より導入)の評価基準に、CO2排出量削減の進捗を含むサステナビリティ指標を設定しています。(※12)
- ※12
役員報酬の詳細については統合報告書P95をご覧ください
(リンク:https://www.dai-ichi-life-hd.com/investor/library/annual_report/2023/pdf/index_001.pdf)
リスク管理体制
当社グループでは、経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスクを「重要なリスク」として特定し、そのリスクを踏まえた事業計画の策定を推進することで、予兆段階から適切に対処するリスク管理を実施しています。(※13)グループの重要なリスクの特定にあたっては、グループ会社における重要なリスクの洗出し結果をもとに、各リスクの影響度(※14)・発生可能性を4段階で評価し、ヒートマップを用いて、重要度の高いリスクを重要なリスクとしてリスク管理統括ユニットにて特定し、毎年度見直す運営としています。2016年のパリ協定発効により、気候変動への対応は国際社会全体で取り組む課題であるとの認識が高まっており、当社グループにとっても、気候変動への対応はお客さまの生命や健康、企業活動、社会の持続可能性などに大きな影響を与えうる重要な経営課題と認識し、2019年度以降、気候変動に関するリスクを重要なリスクの一つとして選定し、リスク管理を強化しています。具体的には、Chief Risk Officerが委員長を務める「グループERM委員会」のなかで、物理的リスク・移行リスクの評価・対応方法について議論を行い、必要に応じて、経営会議・取締役会にも報告しています。
- ※13
詳細は以下のリンク先をご覧ください。
第一生命ホールディングスホームページ(リスク管理:重要なリスク) - ※14
影響度は経済的損失額、レピュテーション(売上げ・経営責任・株価への影響)等の要素を考慮
戦略/指標と目標
気候変動関連のリスク・機会、当社グループ事業への影響
当社グループとして、気候変動によって、右記のような影響が中長期的にもたらされる可能性があると認識し、SSPシナリオ(※15)(5-8.5)、NGFSシナリオ(※16)などを用いて分析した結果に基づき、事業会社・機関投資家として、気候変動に対する強靭性の確保・機会獲得に向けた取組みを推進していきます。
- ※15
Shared Socioeconomic Pathways(共有社会経済経路)。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が設定する気候変動シナリオ
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Network for Greening the Financia lSystem(気候変動リスクなどにかかる金融当局ネットワーク)が設定する気候変動シナリオ
リスク |
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機会 |
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シナリオ分析
気候変動リスクは広範な波及経路が想定され、かつさまざまな時間軸で顕在化する可能性があります。当社グループではTCFDの提言を踏まえ、気候変動リスクを移行リスク(※17)と物理的リスク(※18)に分類したうえでリスクカテゴリ別に整理して認識しております。当社グループにおいては、短期的には3年程度、長期的には10年超の時間軸において顕在化する気候変動リスクとして右表のような事例を想定し、保険引受リスクおよび市場・信用リスクについてはシナリオ分析を実施しております。なお、生命保険事業における気候変動の財務影響分析はいまだ国際的にも確立された方法はなく、各社が試行錯誤を行いながら研究・分析を行っているものと認識していますが、今後もグループ全体のリスク把握に向け取り組んでいます。
- ※17
気候変動への対応として低炭素経済に移行していく過程で発生する、政策導入、技術革新、市場の変化等から発生するリスク
- ※18
気温上昇や海面上昇等の長期的な気候変動、台風等の自然災害によって、不動産等の資産に対して直接的な損害が発生するリスク
リスクカテゴリ | 主な物理的リスク・移行リスクの事例 |
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保険引受リスク | 気温上昇に起因する熱中症や感染症被害の拡大によって死亡率等が上昇し、支払保険金・給付金が増加するリスク ⇒ 本ページ下部「(1)気候変動が生命保険事業に与える影響」参照 |
市場・信用リスク | 【移行リスク】 【物理的リスク】 |
流動性リスク | 【物理的リスク】 |
オペレーショナルリスク | 【移行リスク】 【物理的リスク】 |
風評リスク | 【移行リスク】 |
(1)気候変動が生命保険事業に与える影響
保険金・給付金支払いに関するリスク把握の取組みの一環として、2020年度より、気温と第一生命の保険金・給付金の関係を、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー社と共同で分析してきました。具体的には、第一生命の過去の支払実績をもとに、夏季の気温上昇による健康被害の増大に着目した分析を行って最高気温との関係性を推定したうえで、そこに将来の気候シナリオを仮定し、国内生命保険会社3社(※19)の死亡・入院への影響分析を実施しました(※20)。本分析の結果(下図参照)は限定的な水準であったものの、入院に関する分析は、疾患が多岐にわたることや、統計データ量、先行研究の少なさから、死亡に比べ相当の仮定をしたうえでの試算となっています。また、今後の新たなリスクの発現にも留意する必要があるものと考えています。
- ※19
第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命
- ※20
分析の前提等の詳細は、当社統合報告書2022のP63, 64をご覧ください
統合報告書
(2)気候バリューアットリスク(CVaR: Climate Value-at-Risk)の分析
MSCI社のCVaRという手法で、投資資産の移行リスクと物理的リスクの分析を行っています。CVaR総合は、1.5℃ Orderlyシナリオ(※21)で▲19.5%、物理的リスクが大きい3℃ Orderlyシナリオ(※21)で▲21.2%、移行リスクが大きい1.5℃ Disorderlyシナリオ(※21)では▲21.8%となりました。また、ベンチマークとの比較では、1.5℃ Orderlyシナリオにおいて、移行リスク、物理的リスクともに優位な結果となっております。なお、気候関連リスク・機会の計測手法は発展段階にあり、MSCI社の計測手法改定やシナリオデータの充実などの影響で結果は大きく変化しました。第一生命では、投融資ポートフォリオのレジリエンス強化に向け、CVaRを含め、気候関連リスク・機会の分析に引き続き取り組んでいく予定です。
- ※21
Orderlyシナリオ:秩序だった移行となるシナリオ、Disorderlyシナリオ:秩序だった移行が進まず炭素価格が高騰するシナリオ
- ※
対象は、第一生命(株式・社債)、第一フロンティア生命(社債)で総額は約8兆円。ベンチマークは、国内社債:NomuraBPI・社債、外国社債:Barclays・グローバル社債Index、国内株式:TOPIX、外国株式:MSCI_ACWI。データは2023年3月末時点のもの。 (出所)Reproduced by permission of MSCI ESG Research LLC
事業会社としての取組み
当社グループでは、スコープ1およびスコープ2のCO2排出量について、パリ協定での目標を見据え、2025年度に50%削減(2019年度比)、2030年に75%削減(2019年度比)、2040年度にネットゼロという目標を設定しています。加えて、第一生命では、全社員一体となった取組みを推進するため、「事業や社員の行動変容につながる視点で重視すべき項目」を対象にスコープ3(カテゴリ15以外)のCO2排出量を、2030年度に30%削減(2019年度比)、2050年度にネットゼロという目標を設定しています。
当社グループのスコープ1+2は、2022年度約23,800トン(2019年度比約83%の削減)となりました。第一生命は、2019年に国内生命保険会社として初めて「RE100(※22)」に加盟して以降、電気需給契約の見直し、オフサイトPPAサービス(※23)や非化石証書等の環境価値の活用を進めてきたことにより、2022年度には、事業活動における消費電力の100%再生可能エネルギー化を、目標に対して1年前倒しで実現しました。(※24)その他、国内外のグループ会社においても再生可能エネルギーの導入を進めています。また第一生命のスコープ3(カテゴリ15以外)は、OA用紙の使用量削減等を順次進め、2022年度約46,600トン(2019年度比約6%の削減)の水準となりました。引き続き、ネットゼロの達成に向けグループ一体となり取組みを展開していきます。
グループ中核会社の第一生命では、CO2排出量の削減量を中期経営計画のKPIの一つとしています。
これの達成状況によって全従業員の賞与が変動します。
- ※22
事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアティブ
- ※23
電力需要施設と離れた土地に第一生命専用の太陽光発電設備を設置し、発電した電気を環境価値とともに電力需要施設に送るというスキームを活用した電力調達の方法
- ※24
詳細は、下記ニュースリリースをご覧ください
機関投資家としての取組み
グループの国内中核子会社である第一生命(2023年3月末時点の総資産:約34兆円)では、気候変動問題の解決を責任投資における最重要課題と位置付け、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいます。2021年2月には国内で初めてNZAOAに加盟し、2050年までの投融資ポートフォリオのネットゼロ実現をコミットしました。その実現に向け、NZAOAプロトコル(目標設定ガイドライン)に従い、上場株式・社債・不動産ポートフォリオにおけるGHG排出量の中間削減目標(2025年までに25%削減(2020年比))を設定し、取組みを進めてきました。第一生命の上場株式・社債・不動産ポートフォリオにおける2022年時点のGHG排出量は約450万トンと、2020年時点の約537万トン(※25)から約16%の削減となりました。これは、投融資先企業によるGHG排出削減取組みの進捗、当社に割り当てられるGHG排出量算出に影響を与えるマーケットの変動などの複合的な影響によるものと考えています。ネットゼロに向けた取組みをさらに進めるために、第一生命は、2030年を目標年とする新たな中間削減目標(2030年までに投融資ポートフォリオ(※26)におけるGHG排出量を50%削減(2020年比))を設定しました。また、炭素税の大幅な変更や座礁資産化などの移行リスクを投融資先企業の評価基準に組み込むなど、ポートフォリオのレジリエンス強化に向けた取組みを行っており、CVaR(気候バリューアットリスク)を含め、移行リスク・物理的リスク・機会などの気候関連リスク・機会の分析に引き続き取り組んでいく予定です。
- ※25
使用ベンダーをS&P Trucost LimitedからMSCI ESG Research LLCに変更したことに伴い2020年時点のGHG排出量実績を修正。なお、S&P Trucost Limitedを使用した場合の2022年のGHG排出量は約470万tCO2e(2020年は約602万tCO2e)
- ※26
NZAOAプロトコルに従い、新設した中間削減目標の対象資産に融資を追加。2030年を目標年とする中間削減目標は上場株式・社債・不動産・融資ポートフォリオに対する削減目標となる
ネットゼロ移行計画の策定 |
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2050年ネットゼロ達成に向けた 削減目標設定および 取組みの推進 |
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エンゲージメントを通じた投融資先企業の取組みを後押し |
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低炭素社会への移行・ 環境イノベーション創出の後押し |
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- ※27
上場株式・社債・不動産ポートフォリオにおけるGHG排出量を2025年までに25%削減(2020年対比)
- ※28
トランジション・ファイナンスとは、脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則り着実なGHG削減の取組みを行う企業に対し、その取組みを支援することを目的とした新しいファイナンス手法
- ※29
再生可能エネルギー発電事業のうち、インパクトを開示している案件
第一生命は、国内株式、外国株式、国内社債、外国社債のポートフォリオに関して、投融資先企業の気候関連リスク・機会を評価するために、TCFD提言が開示を推奨している総炭素排出量とWACI(加重平均カーボンインテンシティ)の分析を行いました。WACIについては、企業の売上げ当たりのGHG排出量をポートフォリオにおける保有割合に応じて加重平均しています。国内社債については、WACIが相対的に高い傾向にありますが、これは国内社債マーケットにおいて排出量の大きい電力セクターの割合が相対的に高いことが要因の一つであると分析しています。脱炭素社会の実現に向けて、GHGを多く排出する産業を中心に長期的な移行(トランジション)戦略を進めることは大切です。第一生命は2022年9月に「トランジション・ファイナンスに関する取組方針」を公表しました。トランジション・ファイナンスに取り組むことで同社のファイナンスド・エミッションが一時的に増加する可能性はあるものの、社会全体のネットゼロ達成に向けてはGHG多排出産業の脱炭素化が不可欠であることから、適切なトランジションに資する投資であるならば、当該トランジションの遂行を積極的に支援することを通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
GHG排出量(万tCO2e) | WACI(tCO2e/百万円)(※32) | ||
(参考)2020年 | |||
国内株式 | 200 | 0.7 | 0.8 |
外国株式 | 19 | 1.2 | 1.8 |
国内社債 | 190 | 2.4 | 2.6 |
外国社債 | 31 | 0.6 | 0.7 |
不動産 | 10 | - | - |
- ※30
上場株式・社債・不動産ポートフォリオにおけるスコープ1、スコープ2の合計値。上場株式、社債についてはMSCI ESG Research LLCデータより第一生命にて作成。不動産については第一生命にて集計の上作成。以下算出基準にて測定。
GHG排出量=Σ(個別企業ごとのGHG排出量×当社持ち分比率)当社持ち分比率=投資額÷企業価値(株式時価総額+有利子負債) - ※31
2030年を目標年とする新たな中間削減目標は対象アセットに融資を含める
- ※32
使用ベンダーをS&P Trucost LimitedからMSCI ESG Research LLCに変更したことに伴い、2020年のWACIの実績を修正
第一生命の「トランジション・ファイナンスに関する取組方針」全文はこちら
トランジション・ファイナンスに関する取組方針(703KB) PDF
第一生命の社会課題の解決に向けた投融資の累計は、2022年度末時点で約1.6兆円に到達しました。さらなる社会へのポジティブ・インパクト創出に向けて、2024年度末までに同投融資を2兆円に拡大していきます。なかでも、同社の責任投資における最重要テーマである気候変動問題への対応強化として、気候変動問題の解決に資する投融資(※33)を、2024年度末までに1兆円に拡大していくことを目指します。(2022年度末時点で約7,100億円に到達)第一生命では、気候変動要素を投融資判断に組み込むインテグレーションの取組みとして、投融資先企業について定量・定性の両面から分析・評価を行っています。具体的には、炭素税の大幅な変更等に伴う業績への影響度の試算(移行リスク)や、将来的な収益獲得につながる環境関連技術等(機会)の有無、さらには、エンゲージメント活動を通じて確認した投融資先企業の気候変動リスクに対する取組みやガバナンス状況等を踏まえて、ESGアナリストが企業を評価しています(ESGスコアリング)。このESGスコアリングの結果を各アセットの担当アナリストが投融資判断の際に使用する社内ランクに反映させることで、気候変動関連のリスク・機会を投融資先の評価基準に組み込み、ポートフォリオのレジリエンスを強化しています。
- ※33
グリーンボンド、再生可能エネルギー発電所関連事業への投融資など、気候変動問題の解決に資する投融資
第一生命のESGインテグレーションやエンゲージメントの取組みの詳細(責任投資活動報告)は、以下の第一生命webサイトをご覧ください。https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/investment/ri-report2.html
TOPICS
第一フロンティア生命のGHG排出量削減取組み
第一フロンティア生命(主に銀行窓販チャネルを通じて貯蓄性商品を販売)は公社債を中心に約7.9兆円の運用資産を有しています。同社は2022年度に、2025年3月末までに運用ポートフォリオのGHG排出量(※34)を15%削減(2021年3月末対比)する目標を設定しました。投資先企業が掲げる削減目標の達成促進や更なる削減の後押しに関するESG対話などを通じて排出量削減に取り組んでおり、2023年3月末時点の実績は8.7%の削減(2021年3月末対比)となりました。
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保有資産1単位当たりのGHG排出量(インテンシティ)ベース
役職員の意識醸成
脱炭素社会の実現に向けては、事業会社・機関投資家としての取組みに加えて、当社役職員の意識醸成・行動変容が不可欠であり、それが当社グループらしさの発揮につながると考えています。グループ内でさまざまな取組みを展開していますが、その一環として、グループ横断的な環境イベント「ECO Actionリレー」を2022年度に実施しました。「ECO Actionリレー」は、国内外のグループ会社において、環境取組みをリレー形式で実施するもので、グループ22社から4,000人以上の役職員が参加しました。各社・部署の個性を活かした取組内容・効果的な実施方法を考えて運営することで、役職員一人ひとりの環境取組みに対するモチベーションを高めることにつながりました。