経営成績の概況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、インフレ率の高止まりや各国中央銀行による金融引き締めの中、多くの国で減速しました。金融市場では、世界的な金融引き締めのもとで株価が下落しました。為替市場では、ドル円が10月に一時1ドル150円を超える大幅な円安となりましたが、その後はアメリカの金融引き締めのペースが落ち着くとの見方から円高が進みました。国内債券市場では、12月に日本銀行が従来0.25%としていた長期金利操作目標の上限を0.5%に引き上げたことで、長期金利が上昇しました。日本経済は、新型コロナウイルスによる行動制限の影響が和らぐ中で、国内需要主導で回復が続きました。一方で、ウクライナ情勢の悪化や円安によって輸入価格の上昇が進み、景気回復の重石となりました。こうした事業環境にあって、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。
当第3四半期連結累計期間の経常収益は、保険料等収入5兆310億円(前年同期比34.4%増)、資産運用収益1兆8,528億円(同10.6%増)、その他経常収益9,603億円(同277.7%増)を合計した結果、7兆8,442億円(同38.3%増)となりました。経常収益の増加は、第一フロンティア生命保険株式会社において、海外金利上昇等に伴い外貨建て保険の販売が好調に推移したことによる保険料等収入の増加及びDai-ichi Life Reinsurance Bermuda Ltd.への既契約の出再による責任準備金戻入等が主な要因であります。
一方、経常費用は、保険金等支払金5兆568億円(同21.3%増)、責任準備金等繰入額809億円(同231.8%増)、資産運用費用1兆1,957億円(同400.3%増)、事業費6,103億円(同13.0%増)、その他経常費用6,010億円(同158.9%増)を合計した結果、7兆5,448億円(同44.9%増)となりました。第一フロンティア生命保険株式会社において、円安の進展に伴うターゲット到達による解約の増加等が主な要因であります。
この結果、経常利益は2,993億円(同36.0%減)となりました。また、経常利益に、特別利益、特別損失、契約者配当準備金繰入額、法人税及び住民税等並びに法人税等調整額を加減した親会社株主に帰属する四半期純利益は1,444億円(同50.7%減)となりました。
財政状態の概況
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、63兆4,443億円(前連結会計年度末比3.7%減)となりました。主な資産構成は、有価証券が48兆376億円(同6.7%減)、貸付金が4兆5,288億円(同13.8%増)、有形固定資産が1兆1,818億円(同1.9%増)であります。
負債合計は、60兆9,115億円(同0.9%減)となりました。また、負債の大部分を占める保険契約準備金は54兆9,884億円(同4.3%増)となりました。
純資産合計は、2兆5,328億円(同42.5%減)となりました。純資産合計のうち、その他有価証券評価差額金は、金融環境の急激な変動により、主にProtective Life Corporationや第一生命保険株式会社において外国証券等の有価証券の含み損益が悪化したこと等から2,862億円(同88.1%減)となりました。
なお、保険金等の支払余力を示す連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べ248.8ポイント低下し、653.8%となりました。
今後の見通し
2022年5月12日に公表した2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の通期連結業績予想を2022年11月14日に下記のとおり修正しました。
■修正の内容
経常収益 | 経常利益 | 親会社株主 に帰属する 当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
|
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前回発表予想(A) |
百万円 7,612,000 |
百万円 512,000 |
百万円 285,000 |
円 銭 278.19 |
今回発表予想(B) | 9,650,000 | 430,000 | 219,000 | 213.73 |
増減額(B-A) | 2,038,000 | Δ82,000 | Δ66,000 | |
増減率(%) | 26.8 | Δ16.0 | Δ23.2 | |
(参考)前期実績 (2022年3月期) |
8,209,708 | 590,897 | 409,353 | 383.15 |
- ※
グループ修正利益(注)は、従来予想(2,700億円程度)から2,400億円程度に減少する見込みです。
(注)グループ修正利益は、親会社株主に帰属する当期純利益から会計上の評価損益等を調整して算出した株主還元の原資となる指標です。
■修正の理由
経常収益については、第一フロンティア生命において、好調な保険販売により保険料等収入の増加を見込むこと等から、前回発表予想と比較して増加する見込みです。
経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、グループ修正利益については、新型コロナ感染拡大に伴う第一生命の保険関係損益の悪化に加え、米プロテクティブ社における営業外損益、および第一フロンティア生命のMVA関連損益に含まれる売買目的有価証券の評価損益が、金利上昇等により悪化したことから(共に評価損計上)、前回発表予想と比較して減少する見込みです。
■2023年3月期期末配当予想
2023年3月期期末配当予想(1株当たり配当金86円)に関する修正はございません。
- (注)
上記の各数値は、本資料発表日現在において入手可能な情報から得られた判断に基づいており、実際の業績は、様々な要因により記載の予想数値とは異なる結果となる可能性があります。