健康寿命の延伸

社会課題と目指す姿

日本では、超高齢化社会を迎えるなか、生命寿命と健康寿命のギャップの拡大や、国民医療費総額の高止まりによる、健康保険組合などの保険者の財政のひっ迫が社会課題となっています。
また、国民皆保険などの充実した医療制度により、誰もが安心して医療を受けることができる一方、病気の発症や重症化リスクが高まってから医療機関にかかる傾向があり、日本の医療費増大の一因となっています。
当社グループでは、未病の段階から健康維持をサポートすることで医療費の適正化や健康寿命の延伸に取り組み、お客さま一人ひとりの将来にわたるwell-being向上の実現に貢献していきます。

当期の取組みと成果

現状の社会課題を踏まえ、健康保険組合向けの医療費適正化支援サービス「Healstep®(ヘルステップ)」を提供しています。「Healstep®」は大きく4つのサービスで構成されています。①将来医療費予測モデル(AIエンジン)で将来の疾病リスクと医療費を可視化し、②これらのデータに基づいた対応方針を策定。さらに、③サービス事業者と連携して保健指導などをオンラインで対応できるように支援し、④組合員向けの健康増進アプリ「QOLism(キュオリズム)」を通じて、運動や食事、メンタルヘルスといった、一人ひとりの健康増進に役立つ幅広いコンテンツをご提供しています。
2021年の「データヘルス・予防サービス見本市」(主催:厚生労働省)では、健康保険組合・自治体・企業などの皆さまからご支持いただき、最優秀賞を受賞しました。また「QOLism」については、2022年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞するなど、外部からの高い評価をいただいています。Healstep®を導入いただく健康保険組合は着実に増加しており、新たに事業主向けにも健康経営をご支援するため、一部サービスの提供を開始しています。
2022年度はHealstep®を導入いただいた健康保険組合を対象とした「ヘルステップ会」や保険者・事業主に向けた「ヘルステップウェビナー」を開催しました。2024年度からスタートする第3期データヘルス計画に向けて、お客さま同士の交流機会や有識者による最新情報の提供を通じて、お客さまよりご好評の声をいただいています。
今後も、お客さまからの声に耳を傾け、サービスの更なる拡充を図るとともに、取組みの実効性を高めるサポートに努めていきます。

  • データヘルス計画:健診・レセプト情報等のデータの分析に基づいて保健事業をPDCAサイクルで効果的・効率的に実施するための事業計画
Healstep契約数とユーザーID数 健康増進アプリ_QOLism

中長期に向けた取組み

生命寿命と健康寿命のギャップの拡大や医療費の増加といった社会課題の解決には、人々の「健康増進」に加え、「発症・重症化予防」の取組みが重要であると考えています。
中長期的には、例えば将来のリスクをご本人に早めに認識していただき、自身による予防対策もしくは予防医療として適切な医療機関に簡単にアクセスできるシームレスなプラットフォームをご提供することを検討しています。また、健康保険組合だけでなく事業主など、より幅広いお客さまへのサービスのご提供を通じ、お客さまのご意見・ご要望を反映しながらサービスの進化に努めていきます。
コロナ禍を経て、健康・医療領域でもオンライン化やデジタル化が大きく進みました。このような世のなかの変化に対応すべく、さまざまなヘルスケア分野の企業とも協業しながら、「対面」と「デジタル」を通じて「健康増進」から「発症・重症化予防」までをワンストップでサポートしていきます。今後もグループでの戦略を強化し、「健康寿命の延伸」といった社会的インパクトの拡大に向けて取り組んでいきます。

医療費適正化支援サービス_Healstep 健康医療領域における取組み

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