第一生命ホールディングス

テーマ④ 機関投資家としての責任

社会課題の認識

国連の調査によると、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)達成に必要とされる年間の投資額約3.9兆ドルに対して、約2.5兆ドルの不足があるとされています。SDGs達成に向けては民間からの投資資金の供給が必須とされており、機関投資家に求められる責任・役割が大きくなっていると考えます。

■SDGs達成に向けた2015-2030年における年間投資額の推定

SDGs達成に向けた2015-2030年における年間投資額の推定 国際連合貿易開発会議 「World Investment Report 2014」をもとに、当社にて作成

関連する重要課題(重要課題の詳細はこちらをご覧ください)

社会の発展への貢献

目指す姿

第一生命では、持続的な企業価値向上を追及する「スチュワードシップ活動」と、収益性を確保しつつ社会の持続的発展に寄与する「ESG投資」を柱にして、機関投資家としての社会的責任を踏まえた投資(責任投資)を積極的に推進していきます。

アプローチ

重要課題のうち、経営戦略の視点から優先度が高いものを中期経営計画に反映しています。

CONNECT 2020

第一生命グループ 2018-20年度中期経営計画 『CONNECT 2020』(4,131KB) PDF

  • 機関投資家への社会的要請の高まりを踏まえ、責任投資(ESG投資・スチュワードシップ活動)の取組を深化

目標と進捗状況

取組指標 指標解説 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
対話活動・議決権行使状況 建設的な「目的をもった対話」を実施した社数 110社 233社 277社 271社

主な取組み

第一生命の資産運用 -長期・安定的な資産運用-

第一生命の資産運用では、生命保険資金に求められる長期・安定的な収益を獲得するための中長期の資産運用方針と、保険市場および運用環境の変化により柔軟に対応するための短期の資産運用方針を策定し、収益の一層の拡大を図っています。
保険商品は個別性が強いことから、商品特性に応じて区分勘定を設定し、きめ細かな負債情報の把握に努め、分析成果を実際の運用行動にタイムリーに反映することで、より商品特性にふさわしい資産ポートフォリオの構築を目指しています。生命保険資金の運用には安全性も求められるため、資産運用方針は厳格な運用リスク管理の基準に沿って策定され、運用行動についても、日次での運用成果の計測・評価とリスク・モニタリングが実施されています。
また、生命保険事業は、国民生活の安定・向上、経済の発展および持続可能な社会の実現に密接な関わりを持つ公共性の高い事業であることから、第一生命は収益性・安全性・流動性に加えて公共性にも配慮した資産運用を実施しており、その一環として、責任投資(ESG投資、スチュワードシップ活動)を積極的に推進しています。

責任投資の推進体制

第一生命の責任投資は、収益性の向上と社会課題解決の同時追求を目指すESG投資(Environment=環境、Society=社会、Governance=ガバナンス)と、投資先企業の企業価値向上を目指すスチュワードシップ活動から構成され、それぞれ「ESG投資方針」および「スチュワードシップ活動方針」を策定し、体系的な取組を実施しています。また、当社は2015年に国連責任投資原則(PRI)に署名しており、PRIによる年次アセスメントを通じて継続的なプロセス改善を目指しています。

また、責任投資委員会を設置し、責任投資に係る重要な方針や個別判断を要する重要な議決権行使について審議するとともに、スチュワードシップ活動の結果やESG投資の取組状況等について確認を行っています。委員会のメンバーの過半数を責任投資やガバナンスに知見のある社外有識者としており、社外からの意見も取り入れることで、透明性の確保と持続的なレベルアップを図っています。

ESG投資

ESG投資の基本方針

ESG投資とは、財務情報に加え、環境・社会・ガバナンス(Environment, Society and Governance)の要素を考慮する投資手法です。第一生命は、①収益性を前提としたESGテーマ型投資と、②リスク抑制や中長期的な収益力向上を図るESGインテグレーションに取り組んでいます。

ESG投資の推進態勢

第一生命では、年度毎にESG取組方針を策定し、アセット横断的な取組みを実施しており、PRI年次アセスメントを通じて社外からの評価を受けることで、ESG投資に係る取組み・プロセスの持続的な改善を目指します。また、責任投資委員会では、ESG投資の進捗確認、投資方針の議論やアセスメントの振り返りを行っています。

ESG投資手法

第一生命におけるESG投資手法は以下のとおり定義しています。

ESG投資手法 定義
ESGテーマ型投資 収益性を前提とした、社会課題解決に繋がるテーマを持った資産等への投資
インパクト投資
運用収益の獲得と社会的インパクトの創出(社会の構造変化等)の両立を意図して投資判断を行う投資手法
その他ESGテーマ型投資
インパクト投資に含まれないテーマ型投資
ESGインテグレーション 投資プロセスへのESG要素の体系的な組込
リサーチへの組込
企業分析・評価においてESG要素を体系的に組込
ポジティブ・スクリーニング
ESG格付等が高い企業でポートフォリオを構築
ネガティブ・スクリーニング
特定の資金使途・業種等をポートフォリオから除外する枠組みを構築
ESG対話
ESG課題に関する対話活動

これまでのテーマ型投資の事例

※ 赤字:地方創生・地域活性化への取組み

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

投資テーマ
(SDGs17の目標に対応)

主なESGテーマ型投資事例
インパクト投資 その他テーマ型投資
1.貧困をなくそう 貧困撲滅
  • 五常・アンド・カンパニー
  • クラウドクレジット
  • 欧州復興開発銀行「マイクロファイナンスボンド」
2.飢餓をゼロに 飢餓撲滅
  • アフリカ開発銀行「フィード・アフリカ・ボンド」
3.すべての人に健康と福祉を 健康的な生活・福祉
  • キュア・アップ
  • サスメド
  • MOLCURE
  • QDレーザ
  • アジア開発銀行「ヘルス・ボンド」
  • トルコ共和国における病院整備運営事業向けプロジェクトファイナンス
  • 欧州復興開発銀行「ヘルス・ボンド」
  • メトセラへの投資
4.質の高い教育をみんなに 質の高い教育
  • 米州開発銀行「EYEボンド」
5.ジェンダー平等を実現しよう ジェンダーの平等
  • アジア開発銀行「ジェンダー・ボンド」
6.安全な水とトイレを世界中に 安全な水・衛生
  • 豪州淡水化プラント事業向けプロジェクトファイナンス
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 持続可能なエネルギー
  • 国内メガソーラー事業向けプロジェクトファイナンス
  • ドイツ洋上風力発電事業向けプロジェクトファイナンス
8.働きがいも経済成長も 持続可能な経済成長・完全雇用
  • メルティンMMI
  • 国際金融公社「インクルーシブ・ビジネス・ボンド」
  • 新興国の金融機関へ投資するIFCアセットマネジメント社のファンド
  • カタール天然ガスプラント事業向けプロジェクトファイナンス
  • ASEAN地域特化型ファンドへの投資
9.産業と技術革新の基盤をつくろう インフラ整備・イノベーション
  • 国際協力機構ソーシャルボンド
  • アフリカ開発銀行「ライト・アップ・アンド・パワー・アフリカ・ボンド」
  • 福岡空港コンセッション事業向けプロジェクトファイナンス
10.人や国の不平等をなくそう 不平等解消
11.住み続けられるまちづくりを 持続可能な街づくり
  • 英国高速鉄道事業向けプロジェクトファイナンス
12.つくる責任つかう責任 持続可能な消費・生産
13.気候変動に具体的な対策を 気候変動への対応
  • Spiber
  • 東京グリーンボンド
  • 海外私募REITファンド・オブ・ファンズ
  • 鉄道・運輸機構グリーンボンド
14.海の豊かさを守ろう 海洋資源の保全
15.陸の豊かさも守ろう 陸上生態系の保全
16.平和と公正をすべての人に 平和で公正な社会
17.パートナーシップで目標を達成しよう グローバル・パートナーシップ

詳細な取組み内容については第一生命ホームページをご覧ください。

第一生命ホームページ(機関投資家として:ESG投資) 新規ウィンドウで開きます

これまでのインパクト投資の事例

第一生命では、運用収益の獲得と社会的インパクトの創出の両立を意図した投資手法であるインパクト投資に取り組んでいます。インパクト投資を行った企業については、企業の取組みや社会的インパクトの進捗状況を継続的にモニタリングしていきます。主な事例は以下の通りです。

社名 投資金額
(リリース時期)
企業概要 社会的インパクト
Gojo&Company,Inc. 4億円
(2017/10)

発展途上国におけるマイクロファイナンス事業

発展途上国における金融アクセス改善

1.貧困をなくそう

Spiber 10億円
(2017/10)

新世代バイオ素材開発

環境負荷軽減(温室効果ガス排出量削減等)

13.気候変動に具体的な対策を

CureApp 2億円
(2018/2)

ニコチン依存症や生活習慣病等、各種疾患に対する「治療アプリ®」の研究・開発

治療成績の飛躍的向上、健康寿命の延伸、医療費削減

3.すべての人に健康と福祉を

CROWD CREDIT 1億円
(2018/4)

「融資型クラウドファンディング」サービス提供

発展途上国の事業活動促進、雇用創出

1.貧困をなくそう

SUSMED 1億円
(2018/5)
不眠症治療用アプリの研究・開発

不眠症治療における副作用リスク低減、医療費削減

3.すべての人に健康と福祉を

MELTIN 3億円
(2018/10)

世界初の「人の手に最も近い」アバターロボット等の研究・開発

危険環境下での作業における事故リスク低減

8.働きがいも経済成長も

MOLCURE 1億円
(2018/11)

AIを活用した抗体/ペプチド医薬品開発プラットフォームの開発・提供

医薬品開発の短期化および医療費削減

3.すべての人に健康と福祉を

QD LASER 3億円
(2018/12)

最先端レーザ技術を活用した世界初の低視力患者向けアイウェア等の開発・提供

低視力患者のQOL改善

3.すべての人に健康と福祉を

リサーチへの組込

第一生命では、株式リサーチおよびクレジットリサーチにおいて体系的にESG要素を組み込んでいます。パフォーマンスへの影響を定期的に検証し、ESGを加味したリサーチプロセスの中長期的な高度化に取り組みます。

株式リサーチへの組込

社内の株式アナリストが企業の中長期的な成長性を評価する際、定量的な財務情報に加え、環境を始め、社会的課題解決に資する製品・サービスの競争力、マネジメント力等の非財務情報(=ESG情報)も体系的に組み込んでいます。非財務情報の評価にあたっては、中長期的な企業価値に影響を与える情報の特定が重要と考えており、当社では業種毎に重要な評価項目を特定し、成長性評価に織り込んでいます。なお、非財務情報の分析に当たっては、スチュワードシップ活動における対話内容も考慮しています。

利益成長性評価のイメージ

ポジティブ・スクリーニング -国内上場株式ファンド「ESGファンド」の運用-

資産の運用を目的とした国内上場株式ファンド「ESGファンド」を通じて、ESG取組みに優れた企業(2018年9月末時点で約280社)への投資を実施しています。

  • 2010年に「社会的責任投資(SRI)ファンド」として設立し、2013年に「ESGファンド」に名称を変更しています。また、同ファンドはインハウス運用(外部に委託しない自家運用)を行うものです。

PRIアセスメント

2017年のPRI年次アセスメントにおいて、全ての分野でグローバルのPRI 署名機関平均以上の評価を得たほか、スチュワードシップ活動および不動産投資については最高評価であるA+を獲得しました。今回のアセスメント結果を踏まえ、社債発行体への対話を検討開始するなど、当社の責任投資の取組みの更なるレベルアップに繋げていきます。

2017年度のPRIレポートは以下リンクをご覧ください。

PRIレポート 新規ウィンドウで開きます

スチュワードシップ活動

「日本版スチュワードシップ・コード」に対する取組方針

第一生命ホームページをご覧ください。

第一生命ホームページ(機関投資家として:「日本版スチュワードシップ・コード」に対する取組方針) 新規ウィンドウで開きます

スチュワードシップ活動(対話・議決権行使)

議決権行使基準・議決権行使結果・スチュワードシップ活動報告については、第一生命ホームページをご覧ください。

第一生命ホームページ(機関投資家として:スチュワードシップ活動(対話・議決権行使) 新規ウィンドウで開きます

関連データ

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