第一生命ホールディングス

サステナビリティに関する社長メッセージ

TOP MESSAGE 世界が危機的状況に直面するなかにあっても「真っ直ぐに」「真っ先に」さまざまな挑戦を続けていきます。

まずは、日本をはじめ、世界各地で新型コロナウイルス(COVID-19)に感染された方々にお見舞いを申し上げますとともに、不幸にもお亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、今もなお続くこの前例のない災禍に敢然と立ち向かい、医療現場において治療や感染の予防にあたっておられる方々、さらにはあらゆる場面で社会システムの維持などに奮闘されている方々、そして自身やご家族の安全を守るために、日々の生活において最大限の努力を続けておられるすべての方に、感謝と尊敬の意を表します。

新型コロナウイルス感染症への対応

当社グループは新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応として、生命保険会社としての責務である保険金・給付金などの支払いを滞りなく実行することはもちろん、保険料払込の猶予や、新規契約者貸付への特別金利の適用などを取り扱いました。これに加えて国内外のグループ各社にて、マスクの寄付や救済基金の設立などコロナウイルス関連の支援活動を行い、事業を展開する世界各国で、社会貢献活動を展開しています。グループ中核会社の第一生命では、社員一人ひとりが「いちばん、人を考え」、地域社会の一員としてできることを探す中で、手作りマスクの製作・寄付や、地域の学校の消毒をお手伝いするなど、人々に寄り添いながら安心をお届けする「一生涯のパートナー」としての使命を着実に果たすために、全社一丸となって取り組んでいます。これからも「いちばん、人を考える」という私たちのブランドメッセージのもと、新型コロナウイルス感染症への対応に限らず、お客さまの安心や地域社会の発展にお役に立てるような取組みを継続してまいります。

「一生涯のパートナー」としての社会課題解決への想い

私たちが「いちばん、人を考え」、新型コロナウイルス感染症への対応を含めた、社会課題の解決に取り組み、グループミッション「一生涯のパートナー」であり続けるための原動力は、創業者矢野恒太から続く「最良の追求」と「変革の精神」です。「最良の追求」とは、人々の幸福や社会の発展に貢献していくために、私たちの提供価値が、最も良いもので、最も支持されるための努力を、常に「真っ直ぐに」行っていくことです。また、「変革の精神」とは、こうした「最良の追求」を実現するために必要なことは何事にも「真っ先に」取り組み、時に自らの事業のかたちや手段をも大胆に変えていくことを厭わないことです。
私は社長就任以来、創業者のある言葉を引用し、「一生涯のパートナー」としてどう仕事と向き合うべきか、それについての私の想いを社員と共有してきました。その言葉は、「世間の人が喜ぶか、無くてもいいと思うかを考えよ。世間の人が有益で便利と感じる仕事は必ず価値が認められ、世間がその仕事を認め大きく育ててくれる、だからこそ仕事というものは世間のためにやるのだ」というものです。
これは「一生涯のパートナー」であり続けるための本質であり、私たちがお客さまや社会に選ばれ続け、成長を実現していく上での変わらぬ価値観です。
新型コロナウイルスという未曽有の世界的な危機に直面する中で、より一層、この価値観は重要になると改めて感じています。私たちが「いちばん、人を考え」、これからも変わらずお客さまにとっての「一生涯のパートナー」であり続けるために、変化を恐れずに新しいことに挑戦し続けていきます。そして、当社がこれまでもそうだったように、私は、この挑戦の積み重ねによって、これからのより輝かしい未来や社会を創っていけると信じています。
今後も「一生涯のパートナー」として、グループ各社すべてが時代の変化に応じた新たな価値を提供していくことで、国内外の社会課題の解決に「真っ直ぐに」「真っ先に」挑戦していきます。

第一生命グループにとってのサステナビリティ

当社グループは、創業以来、「一生涯のパートナー」として、各時代における人々のニーズに合った安心の提供を通じ、社会課題の解決に取り組むことで、社会の発展とともに成長してきました。そして、これからの時代においてもその使命を果たすために、当社グループでは「保障」「資産形成」「健康増進」「つながり・絆」の4つの領域における価値提供によるお客さまのQOL向上への貢献と、ESG投資や、気候変動への対応をはじめとする社会の持続性確保への寄与により、社会課題を解決することで持続可能性の向上を目指しています。

この4つの領域における価値提供は、私たちが中期経営計画「CONNECT 2020」において目指している、「一生涯のパートナーとしてQOL(クオリティオブライフ)向上に貢献」の実現のために、当社グループがお客さまに提供するものです。QOLの向上とは、「一人ひとりが望む人生や、生き方を実現する」ことであり、その実現のため、当社グループは、事業を通じた提供価値の領域を、従来からの「保障」に加え、QOL向上を実現するうえで誰しもが必要とするであろう「資産形成」「健康増進」「つながり・絆」に領域を拡大し、これらの価値提供に取り組んでいます。
また、社会とりわけ地球環境のサステナビリティ確保への取組みも当社グループの使命です。社会からの期待も極めて大きいと考えおり、保険事業会社・機関投資家双方の立場で、取り組んでいます。私たちは、これまでの保険ビジネスモデルの枠組みを超えた当社グループ独自の提供価値を高め、QOL向上の実現に貢献するとともに、社会課題の解決ひいてはSDGsの実現にも貢献していきます。

第一生命グループの価値創造プロセス
第一生命グループにとっての重要な社会課題

4つの価値提供を通じた社会課題解決への取組み

ここからは、4つの領域における価値提供について、それぞれどのようにQOL向上につながる取組みを行っていくのか、そして社会課題にどのように貢献していくかをご説明します。

①「保障」

ライフスタイルの変化に伴い、保障(プロテクション)に対するニーズが多様化する中、就業不能保険などお客さまのさまざまなニーズに対応する商品を提供すると共に、テクノロジーの活用などによる保障範囲の拡大を通じてより多くのお客さまに必要な保障を提供すべく取り組んでいます。
また、海外グループでは、カンボジアに続き、ミャンマーへの進出を決め、アジア・メコン地域での保険の普及を通じて各国における生活の安定に貢献しています。

②「資産形成」

人生100年時代の到来に伴って自助努力による資産形成が必要となる中、資産寿命の延伸に貢献する商品やお客さま本位のサービスが求められています。
当社グループでは、主に第一フロンティア生命を通じて、お客さまの資産寿命の延伸に貢献する商品を豊富なラインアップで販売しています。また、金融ジェロントロジーの教育提供や、学生向けの金融講座の提供を通じ、社会全体の金融リテラシーの向上、ひいては、資産寿命の延伸に貢献しています。

③「健康増進」

当社グループでは、プロテクションだけでなく、健康増進や病気の重症化予防への寄与(プリベンション)にも提供価値を広げていくことで、健康寿命の延伸や医療費の削減といった社会課題の解決に貢献しています。
例えば第一生命では「健診割」を通じた健康診断の受診勧奨や認知症保険を通じた認知機能低下の防止に力点をおいたサービスの提供により、お客さまのQOL向上の実現に向けた価値提供を行っています。海外グループ会社のTALでは、加入時にBMIを基準として保険料を割引く「Health Sense」を開発しており、グループ全体でお客さまの健康増進をサポートし、人々の健康寿命の延伸に貢献しています。

④「つながり・絆」

当社グループは、日本全国各地域でのさまざまな「つながり」や「つながりの場」を提供することなどを通じて、住みやすく、働きやすい地域づくりに貢献しています。国内生保で唯一47都道府県との連携協定などを結んでいる強みを活かし、高齢者見守りや子育て支援、産業・ビジネスの振興などを通じ、地域の課題解決に向けた取組みに着手しています。また、全国の保有不動産を活用した保育所誘致も進めており、女性の就労促進・子育て支援にも貢献しています。

機関投資家としての社会課題解決への取組み

保険契約者さまから約36兆円もの巨額の資金をお預かりする機関投資家・第一生命は、幅広い資産を運用する「ユニバーサル・オーナー」として、経済的リターンの追求だけでなく、多様なステークホルダーを意識した責任ある投資運用を行う必要があると考えています。具体的には、再生可能エネルギー関連のプロジェクトファイナンスをはじめとする気候変動問題の解決への貢献や、スチュワードシップ活動のさらなる強化などを通じて、投資先企業のESGへの取組みや、企業価値向上を促すことで、社会全体への貢献を高める取組みも引き続き強化していきます。
ESG投資に関しては、グループの価値創造の中核である「QOL向上」、日本の社会課題である「地方創生・地域活性化」、そして世界共通の社会課題である「気候変動の緩和」の3つを重点テーマに定め、社会課題の解決に向けた累計投資金額を2023年度までに倍増させていく計画です。これに加え、2023年度までに全資産の運用方針・運用プロセスにESGの組込完了を目指します。

第一生命がESG投資などを通じて目指す姿
  • 資産運用の規模が大きく、幅広い資産を長期運用している機関投資家。第一生命は、国内上場企業の大多数や海外企業の株式・債券を幅広く保有し、資本市場を幅広くカバーしている。

気候変動への取組み

「気候変動の緩和」は人々の生命や健康、企業活動や社会の持続可能性に影響を及ぼすとともに、当社グループの経営戦略やサステナビリティにも大きな影響を与えうる重要な経営課題と認識しています。当社グループは気候変動リスクを全社的なリスク管理プロセスに組み込み、事業への影響を特定・管理するとともに、今後のアクションプランの策定や、気候変動による中長期的な財務への影響にかかるシナリオ分析などを進めており、さらなる取組みの高度化を進めていきます。

また、気候変動問題の解決に資する投融資についても国内外を問わず積極的に拡大させているほか、投融資先との対話を通じて気候変動への対応を促すなど、機関投資家としての社会的役割を積極的に果たしています。
当社グループは、お客さまをはじめ、株主、地域・社会の皆さま、社員やその家族など、あらゆるステークホルダーに配慮した経営を行っており、ESG取組みについては「ミニマムスタンダード」にとどまるのではなく、生命保険会社として、そして機関投資家としての両面から、「ベストプラクティス」を追求していきたいと考えています。

2020年2月に環境省 ESGファイナンス・アワード・ジャパンを受賞

当社グループ中核会社の第一生命では、気候変動取組み、またESG金融の普及に関する取組みが評価され、2020年2月に環境省 ESGファイナンス・アワード・ジャパンを受賞しました

サステナブルな社会の実現に向けて

冒頭でも申し上げた通り、第一生命の創業者である矢野恒太は、「事業というものは、自分の為ではなく世間の為に行うものだ。世間が喜ぶ事業であれば、必ずや世間が大きく育ててくれる」という言葉も遺しています。矢野のDNAを受け継いだ当社グループは、1世紀以上の歴史のなかで、常に変化を恐れることなく、「真っ先に」「真っ直ぐに」社会課題の解決に取り組み、社会の発展とともに成長してきました。

新型コロナウイルスの感染拡大で世界の多くの人が困難に直面している今こそ、グループ全体で「いちばん、人を考える」を実践していく必要があります。コロナ禍で大きな被害を受けた米国ニューヨーク州知事のクオモ氏の言葉、「Build Back Better.(コロナ後をより良い社会にしよう)」に、私も強く共感します。
また、近年、「ステークホルダー資本主義」という考えが世界的に浸透しつつありますが、企業・事業がサステナブルであるためには、あらゆるステークホルダーとサステナブルなリレーションを構築する必要があります。単視眼的に、どこかに偏った事業運営を行えば、必ずどこかにひずみが生じます。その緊張感を持って、これからもサステナブルな企業経営に取り組んでいこうと思います。

サステナブルな社会の実現に向けて、コロナ禍の危機からの多くの学びを活かし、世の中の潮流にも配慮しながら、より一層社会課題の解決に努め、お客さま、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーの皆さまへの責任をしっかりと果たすことのできる企業グループ、社会にとって必要な企業グループであり続けたいと思います。皆さまには引き続き、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

第一生命ホールディングス株式会社
代表取締役社長

稲垣精二