リスクマネジメント

生命保険の本質を
捉えたリスク管理、
プロアクティブな
リスク管理を通じて、
健全性強化と
企業価値向上を
図ります。

リスク管理統括ユニット担当 執行役員
髙田 久資

ERMの推進とリスク管理

第一生命グループが取り組んでいるERMは、健全性の強化と企業価値の向上の両方を同時に実現させていく取組みです。企業価値の安定的な向上を実現するためには、適切なリスク管理が不可欠である一方で、グループの企業価値の安定的な向上なくしては、グループの健全性の強化は実現できません。
「グループの企業価値の安定的な向上」を達成すべきゴールとしてフォーカスし、お客さま目線の徹底により社会的課題を解決することが当社グループの企業価値の持続的な向上につながり、ひいてはグループの健全性の強化にもつながることを常に意識して、リスク管理に取り組んでいます。
また、当社グループでは、リスクテイク方針を定め、リスクカテゴリーごとにリスクテイクのスタンスを定めています。
このリスクテイク方針のもと、市場関連リスクをコントロールしつつ、保険リスクを適切な価格設定や商品戦略のもとでテイクするとともに、国内外の成長分野に積極的に取り組んでいくスタンスで戦略を策定しています。

当社グループにおけるリスク管理の考え方

リスク管理にあたっては、生命保険事業を通じてお客さまに提供している生命保険商品の本質を理解することが重要です。
生命保険商品には他の金融商品とは異なるさまざまな特性があります。例えば、保険期間が数十年やそれを超える超長期にわたる商品であることや、キャッシュフローが死亡率や疾病罹患率などによって変動するという不確実性があること、さらには、保障性商品においてはお客さまに対するニーズ喚起が必要であることや、一定規模の被保険者群団の形成が前提となることなどです。
このような生命保険の特性を背景とする当社グループの事業特性や収支構造を正しく理解したうえでリスク管理を行っていくことが、当社グループのリスク管理において大切であると考えています。
また、保険事業を取り巻く環境がめまぐるしく変化する今日では、フォワードルッキングなリスク管理、プロアクティブなリスク管理が必要です。例えば、M&Aの実施や新商品開発など、グループに大きな影響を及ぼす重要な案件については、確実な成功につながるよう、その計画段階からリスク管理の視点を組み入れ、事業推進所管と協働して、同時並行的にリスク管理を進めています。

重要なリスクの特定

当社グループでは、経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスクを特定し、これらのリスクを踏まえた事業計画の策定を推進することで、予兆段階から適切に対処するリスク管理を実施しています。

第一生命グループの主な重要なリスク

  • 1. 金融市場の大幅悪化(大幅な金利低下など)
  • 2. 大災害(大地震、パンデミックなど)の発生
  • 3. 環境変化(人口減少、お客さまニーズの変化など)への不適応
  • 4. サイバー攻撃、システム障害などに起因する信頼毀損
  • 5. 規制変更に伴う規制資本の不足、競争力の低下