第一生命ホールディングス

有価証券の減損処理(ゆうかしょうけんのげんそんしょり)

売買目的有価証券以外の有価証券は、時価で評価されないか、時価評価されてもその評価差額は損益計算書に計上されません。しかし、売買目的有価証券以外の有価証券であっても、時価のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められるものを除き、その時価をもって貸借対照表計上額とし、評価差額を当期の損失として処理(損益計算書に計上)しなければなりません。これを有価証券の減損処理といいます。
では、「著しく下落したとき」とは、具体的にどのくらい時価が下落した場合でしょうか。
まず、時価が帳簿価額より50%以上下落した場合は、「著しく下落したとき」として、回復可能性について合理的な反証がなければ減損処理を行わなければなりません。
次に下落率が50%未満の場合は、個々の生命保険会社において合理的な基準を設定し、「著しく下落したとき」かどうか判定することになります。ただし、下落率が30%未満の場合は、一般的に「著しく下落したとき」に該当しないものと考えられることから、あらかじめ合理的な基準から除外することができます(もちろん30%未満の下落率でも合理的な基準として設定することができます)。
このようにして、時価が著しく下落したと判定された銘柄について、回復可能性を判定し、減損処理の要否を決定していきます。
なお、これは時価のある有価証券の場合ですが、市場価格のない株式についても、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性についての合理的な反証がなければ、減損処理の対象となります。

出典 : (社)生命保険協会発行「生命保険会社のディスクロージャー虎の巻2007年版」より