第一生命ホールディングス

ソルベンシー・マージン比率(そるべんしー・まーじんひりつ)

ソルベンシー・マージンとは、「支払余力」という意味です。生命保険会社は将来の保険金などの支払いについて責任準備金を積み立てており、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。しかし、大幅な環境変化によって、予想もしない出来事が起こる場合があります。例えば、大災害や株の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つがソルベンシー・マージン比率です。具体的には、純資産などの内部留保と有価証券含み益などの合計(ソルベンシー・マージン総額)を、数値化した諸リスクの合計額で割り算して求めます。
なお、生命保険会社のソルベンシー・マージン比率が200%を下回った場合には、監督当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性のひとつの基準を満たしていることになります。
生命保険会社は、平成9年度決算からこの数値を公表しており、平成12年度決算では、金融商品の時価会計の導入等を踏まえてその計算基準が見直されています。また、平成13年度決算からは、ソルベンシー・マージン比率の算出根拠となっている分子・分母の内訳を開示しています。
ソルベンシー・マージン比率は経営の健全性を示す一つの指標ですが、この比率だけをとらえて経営の健全性の全てを判断することは適当ではありません。資産運用の状況や業績の推移等の経営情報などから総合的に判断する必要があります。

出典 : (社)生命保険協会発行「生命保険会社のディスクロージャー虎の巻2007年版」より