第一生命ホールディングス

社長メッセージ

2018年9月26日
第一生命ホールディングス株式会社
代表取締役社長 稲垣 精二

第一生命グループの使命 ~社会課題解決への貢献~

1902年の創業以来、第一生命グループは、「生命保険事業などを通じた社会課題の解決への貢献」を使命として成長を続けてきました。戦前は貯蓄性生命保険の提供による国民生活の安定への貢献、戦後は保障性生命保険の提供による家計の保障充実や、企業への投融資を通じた日本の経済成長への貢献、そして近年では保険やその他の商品・サービスを通じた多様な人生設計への貢献など、私たちは人々の暮らしに寄り添い、日本社会の発展とともに歩んできました。
これからもグループの総力を結集し、事業を展開する世界中のすべての国と地域で人々や社会のさまざまなニーズに応えていくことで、これまで以上に「社会課題解決への貢献」を続けていきたいと考えています。
私からのメッセージでは、第一生命グループの使命を支えてきた強みが何であるか、そして今後その強みを活かし、どのように社会に貢献していきたいかを、お伝えしたいと思います。

私たちの使命を支えてきた強み ~「最良の追求」と「変革の精神」~

当社グループの使命を支えてきたものは、「最良の追求」と「変革の精神」という二つの強みです。創業者である矢野恒太の事業哲学は、「最大たるより最良たれ」「世間の人が喜ぶか、無くてもいいと思うかを考えよ」という言葉に表れています。当社の存在意義は事業規模の拡大ではなく、人々の幸福や社会の発展への貢献にあり、そのために真に必要なことをやるべし、というものであり、これが「最良の追求」です。この思いは100年以上にわたり受け継がれ、私たちのグループミッション「一生涯のパートナー」につながっています。
「変革の精神」もまた、創業者矢野恒太の事業哲学のひとつです。矢野は、第一生命を日本初の相互会社として設立しました。それは前例のない、まさにベンチャー的挑戦でしたが、矢野にとっては、当時における最良の保険会社経営を追求した結果であり、いわば必然でした。その後も矢野は、多くの他社とは異なり、あえて保険料は割高でも高率の配当を還元する方針を採り、財務・経営基盤を強化すると同時に、お客さまへの還元を長期的に最大化する経営を追求しました。こうした経営姿勢は、生命保険業の信用向上にも寄与し、日本における生命保険の普及と生命保険業界の健全な発展に大きく貢献したのです。矢野は明治元年から150周年の今年、政府(金融庁)が発表した「明治期に金融制度の確立等に貢献した人物」の一人に挙げられ、保険業におけるその功績が称えられています。
こうして、新たな変革に挑み、最良の追求を続けた矢野たちの功績により、第一生命は多くのお客さまのご支持を得て1932年に業界2位へと成長します。
その後も第一生命グループは創業者の精神を受け継ぎ、近年においても「最良の追求」に関しては、良質な商品・サービスを、自社での開発だけでなく提携戦略によってさまざまな生損保などから導入してお客さまに提供したり、多様な人生設計に応えるコンサルティング手法として「生涯設計」を確立したりすることで、取組みを高めたりしてきました。また、「変革の精神」についても、海外の生命保険事業・アセットマネジメント事業への早くからの展開、国内大手初の株式会社化、持株会社体制への移行などを通じて発揮されました。こうして、当社グループは国内外に広がる現在の事業基盤を築いてきました。

「真っ直ぐに」「真っ先に」

稲垣 精二

「最良の追求」と「変革の精神」という二つの強みを、私なりの言葉で言い換えるならば、「最良の追求」は「真っ直ぐに」、「変革の精神」は「真っ先に」、ということです。私は、第一生命グループの一人ひとりが今日においても創業者の精神を持って、強みをさらに伸ばしていこうと強く意識していくことが、今後の成長に欠かせないと考え、このような言葉にして国内外におけるグループ7万名の従業員と共有しています。
「真っ直ぐに」とは、お客さまの価値観やライフスタイルが多様化するなかで、今まで以上にお客さまニーズを満たすことのできるカスタマー・ファーストを追求していくことです。生命保険のニーズは、大きく変わりつつあります。例えば、従来の保険商品は、お客さまに何かあった時の経済的ニーズに応える「プロテクション(保障)」が主な役割でしたが、近年はその一歩手前にある健康増進や疾病予防といったニーズに応える「プリベンション(予防)」としての役割も期待されるようになってきたと考えています。こうした役割も私たちが担い、お客さまや社会の幅広いニーズ、新しいニーズに適切な商品・サービスでお応えすることが、カスタマー・ファーストに資する価値提供につながります。それが人々に喜ばれ評価される「真っ直ぐ」な事業です。
「真っ先に」とは、この「真っ直ぐに」を実現するために、絶えず変革に挑戦し、勇気を持って最初に行動するということです。今後、情報や医療などのテクノロジーがさらに進化し、社会構造が大きく変化することも予測されますが、変化を積極的に活用したビジネスモデルの変革に「真っ先に」挑戦していくことで、新たな成長の機会を創出することを目指していきたいと考えています。
グループが展開するすべての地域・社会において、「真っ直ぐ」な事業を「真っ先に」行うことこそが当社グループの強みの発揮であり、その結果としてさらに多くのお客さまや社会に喜ばれるようになることが、今後の成長実現につながっていくと考えています。

前中期経営計画の成果 ~「真っ直ぐに」「真っ先に」をグローバルに展開~

2017年度までの前中期経営計画「D-Ambitious」では、これまでの「真っ直ぐに」「真っ先に」をグローバルに展開し、その取組みをグループとして大きく加速させました。
国内では、ほぼすべてのお客さま層のニーズを最適な形でカバーするために、第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命からなる3ブランド体制を確立しました。2007年に貯蓄ニーズの高まりを想定し、第一生命からいち早く分離設立した第一フロンティア生命は、保険窓販のシェアトップに成長し、2017年もその地位を堅持しました。2015年に営業を開始したネオファースト生命も、保険ショップをはじめとする代理店を通じた医療保険などの販売実績を大きく増加させ、成長を続けています。
海外各国では経済発展や市場・ニーズの変化などに的確に対応した商品・チャネル戦略が奏功し、特に第一生命ベトナム、豪州のTALはそれぞれの国で高いシェアを獲得・維持しました。米国のプロテクティブも、買収事業とリテール保険事業の2本柱による強力なビジネスモデルによってグループの利益成長を支えました。
アセットマネジメント事業では、グループ内2社が経営統合によりそれぞれ事業を拡大、日米欧の3市場にまたがるグローバルな事業基盤を確立しました。
その結果、当社グループは事業基盤のグローバルレベルでの拡大・分散と、前中期経営計画で目指していた利益規模の倍増を達成するとともに、株主還元も目標としていた総還元性向40%を捉えるなど、企業価値を着実に向上させました。また、2016年10月に持株会社体制に移行し、今後のさらなる成長に向けた経営態勢の強化も図りました。

グループの強みをさらに高める「CONNECT」への挑戦

稲垣 精二

当社グループは、これまで国内外で築いてきた事業基盤、強固な財務基盤、ブランド力、多才で経験豊富な7万名の人財の力を存分に発揮して、新たな成長を目指していきます。
そのコンセプトが、「CONNECT」です。2018年度からスタートした新中期経営計画の名称も「CONNECT 2020」とし、各種の取組みをスタートさせています。
この「CONNECT」のコンセプトに基づき、国内外のグループ各社の多様性を活かした連帯・協働による独自のシナジー創出や、社外のビジネスパートナーとの提携・連携の強化といった「つながり」を追求し、これらを通じて商品・サービス・チャネルの価値を高め、その結果として、より多くのお客さま・社会との「つながり」を増やしていきたいと考えています。
事業を通じてこれらを実現することで、私たちは生命保険の普及などによる生活の安定や、健康の増進、豊かな老後生活の実現といった、人々のQOL(Quality of Life)向上※のニーズに応え、世界中の新たな社会課題の解決に貢献していきます。
QOL向上を通じた社会課題解決への貢献という私たちの考え方は、国連の掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の考えにも通じるものです。我々の強みを活かした事業によって世界的な課題の解決に貢献していくことは、国際社会の持続可能な発展に裨益するとともに、結果として当社グループの成長性と持続可能性を高めていくことになると考えています。

  • QOL 向上:その人の望む人生や、こう生きたいという生き方を実現すること。また、よりその人らしい生活を送ること。

「CONNECT」の4つの戦略

「CONNECT」は4つの戦略から成り立っています。
1つ目は「お客さまとのCONNECT」です。より多くのお客さまに第一生命グループの商品・サービスを提供するために、販売チャネルの強化・多様化を進めるとともに、多くのお客さまにご支持いただけるよう提供価値自体も高めていきます。国内における3ブランド間の商品・サービス相互供給の加速、代理店チャネルの強化、健康増進などのQOL向上にフォーカスした新商品の投入などに加え、海外では新興国とりわけメコン地域への展開を通じて、同地域の保険普及と生活の安定に貢献していきます。
2つ目は「地域・社会とのCONNECT」です。事業を通じた人々の健康増進への貢献や、地域社会がそれぞれ持っている課題の解決を進めるために、自治体や医療機関との連携を通じた協働や、各国での医療・教育支援などをこれまで以上に推進していきます。
3つ目は「多様なビジネスパートナーとのCONNECT」です。多様な顧客層を持つビジネスパートナーと連携し、さまざまなお客さまとの新たな接点を確保していくほか、新ビジネス創出を目指す「InsTech」の取組みにおいても、さまざまな強みを持つ多様な異業種企業やスタートアップなどとの連携・協働を通じ、グループのイノベーションを加速させていきます。
そして4つ目は「グループ各社のCONNECT」です。さまざまな国や地域で事業を展開するグループ各社の多様性を活かし、各社が互いに学び合い、高め合う取組みを随所で発揮していくことで、各事業のさらなる成長やグループの経営態勢強化を追求します。例えば、生保事業とアセットマネジメント事業によるシナジーの創出や、グローバルベースでの人財・ノウハウ交流による課題解決、グループ総合力の向上などを図っていきます。
このように、国内外の各事業において、これら4つの「CONNECT」に基づく事業戦略の展開を通じ、私たち第一生命グループだからこそできる価値提供を目指していきます。

最後に

私たちは、これからも「最良の追求」と「変革の精神」という二つの強みを活かし、社会課題の解決へのさらなる貢献を目指して「真っ直ぐに」「真っ先に」進んでいきます。今後とも第一生命グループに対し、変わらぬご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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